派遣の保険・福利厚生

同一労働同一賃金とは?派遣社員の待遇はどのように変わるのか

2020.12.24

日本の労働人口は、少子高齢化の問題もあり年々減少しています。また、育児や介護の必要性から働き方のニーズもさまざまです。そのため、政府は「働き方改革」として数々の施策を打ち出してきました。「同一労働同一賃金」もその施策の一つであり、2019年4月から順次施行される働き方改革関連法の一つとして制度化され始めています。

派遣社員として働く人たちにも大きな影響を与える制度ですので、その具体的な内容や派遣社員が受ける待遇の変化などはしっかり理解しておくべきでしょう。

同一労働同一賃金とは?派遣社員に影響はあるの?

自分の望むライフスタイルを実現できるなど、派遣社員という働き方にはさまざまなメリットがありますが、一方で正社員と同じ仕事をしていても待遇に差があるのがデメリットでした。実際、なぜ正社員と同じ賃金や福利厚生が受けられないのかと不満を抱える人は多いです。同一労働同一賃金とは、こうした派遣社員など非正規雇用で働く人の不満を解消するための制度です。

政府は、働き方改革と称してさまざまな政策を打ち出しています。同一労働同一賃金もその一つで、正社員(正規雇用労働者)と、それ以外の派遣社員、パート、アルバイトなどの非正規雇用労働者の待遇格差の解消を目的として政府は各企業に対応を求めています。

その基本的な考えは、「同じ職場で同じ内容の業務に携わり、その負担の大きさや責任の範囲が同じであるなら、正社員であれ派遣社員であれ雇用形態にかかわらず同じ賃金と待遇であるべきだ」ということです。そのため、これまで低賃金と不十分な待遇に不満を覚えていた派遣社員の方にとって、この制度が導入されれば賃金アップや待遇改善などさまざまなメリットが生まれると考えられます。派遣社員として働くモチベーションアップにもなるでしょう。

派遣社員の場合は、パートやアルバイトと比べて少々複雑な雇用形態となっているため、同一労働同一賃金の実施の仕方に二つの選択肢が用意されています。

均等・均衡方式

二つの選択肢のうちの一つが「均等・均衡方式」と呼ばれるものです。派遣社員には、派遣先の会社の正規雇用労働者と均等・均衡の賃金と待遇が与えられます。どういうことかというと、どの派遣会社から派遣されてきた派遣社員であっても、従事する業務の内容、責任の範囲、負担の大きさなどが同一であれば同じ賃金になるということです。この方式を選べば、登録する派遣会社の違いによって賃金・待遇に差が出るようなことがなくなります。

ただ、この方式を選ぶ場合、派遣先の会社の正社員(正規雇用労働者)の業務内容、その責任の範囲や負担の大きさ、また、転勤や異動の有無などあらゆる情報が事前に与えられていなければなりません。そのため、すり合わせが難しいという問題があります。

労使協定方式

もう一つの選択肢が「労使協定方式」と呼ばれるもので、派遣会社と派遣社員の労働組合などが事前に相談して派遣社員の賃金・待遇を決めておくという方式です。派遣される先の会社ではなく、登録する派遣会社によってすでに一定水準以上の賃金・待遇を決めてくれているため、どこに派遣されても同じ条件で働けるというメリットがあります。

派遣社員にどういう変化があるの?

上述した同一労働同一賃金の基本が理解できれば、この制度によって派遣社員にどういう変化があるのかも理解できるでしょう。具体的なメリットには何があるでしょうか。

給料が正社員と同じレベルになる

正社員と仕事の内容が同じなら、派遣社員も正社員と給料が同じレベルになります。ただし、正社員と同一の金額が無条件で支給されるのではないため注意が必要です。

給与だけでなく、手当や昇給率も正社員と同じになります。正社員にボーナスが出るなら派遣社員にもボーナスが出ますし、時間外割増賃金は当然として、ポジションに応じて役職手当などももらえるようになります。ですので、派遣社員の収入はこれまでよりアップするはずです。

交通費が支給される/アップする

派遣社員に交通費を支給してくれる会社はあまり多くなかったですが、同一労働同一賃金が制度化されたら、派遣社員にも正社員と同じく実費での支給になります。もしくは、1時間当たり72円という交通費の全国平均分の金額が時給に上乗せになります。ただ、派遣会社によってどちらの方法で支給されるのか異なるため注意が必要です。

福利厚生も正社員と同じレベルになる

給料だけでなく、福利厚生も正社員と同じレベルになります。今までも健康保険や雇用保険、厚生年金保険といった法律で義務とされていた福利に関しては、派遣社員にも与えられていました。それに加えて、以前は正社員でなければ受けられなかった、企業が個々に用意する福利も受けられるようになるということです。具体的には、住宅手当や育児支援、各種研修などです。

退職金も正社員と同じレベルになる/給与の6%がもらえる

派遣社員でも退職金がもらえるようになるのですが、その支払い方法にはいくつかのパターンがあります。一つは、単純に派遣先の会社の退職金制度に則って正社員と同じ金額となるパターンです。

また、派遣先ではなく退職時に派遣会社から受け取るパターンもあります。派遣先の会社で働いた年月に応じた金額を派遣会社が支払う方法であり、そのためには、派遣会社は一般的な会社の退職金と同等レベル以上の金額を支払わなければなりません。

これらのパターンと異なるのが、給与の6%の金額が退職金となるパターンです。毎月、時給に給与の6%をプラスして受け取る前払い制度もあれば、退職時に給与の6%の金額を一括で受け取るパターンもあります。この6%という数字は、厚生労働省の調査によって一般的な労働者の退職金の割合が給与の6%と算出されたからだそうです。平成28年時点の調査で決められた数字ですので、今後変わる可能性は十分にあります。

同一労働同一賃金の制度で派遣社員が受けるデメリット

ここまで同一労働同一賃金によって派遣社員が受けるメリットについてお伝えしてきましたが、この制度によりかえってデメリットとなることが出てくる可能性もあることに注意が必要です。

派遣社員が正社員と同じ金額の給料をもらうには、その業務について、正社員と同じ内容、責任の範囲、負担の大きさであることなどが条件でした。そのため、これまでは正社員じゃないからと免除されていたこと(たとえば朝礼への参加など)も、今後は義務となることが考えられます。また、評価のされ方も正社員と同等になり、これまでより高いレベルが求められることも考えられるでしょう。

また、正社員との格差は解消されても、他の派遣会社に登録している派遣社員との格差が出てくることもあり得ます。先述したように同一労働同一賃金のやり方には二つの方式があり、均等・均衡方式の場合、派遣社員の賃金・待遇は、派遣会社ではなく派遣先の会社の基準に従って決まります。ということは、同じ派遣会社に登録していて、派遣先で携わる業務も似たような内容であっても、派遣先の会社が違えば賃金や待遇に差が出る可能性があるということです。

さらに、最も懸念される問題として、派遣社員を雇う企業が少なくなる可能性があります。法律によって派遣社員も正社員と同じ賃金・待遇で雇わなければならないと決まったら、「それならうちは正社員だけでいい。もう派遣社員はいらない」となる企業も出てくるはずです。そのせいで、せっかく長年勤め上げてきたのにもかかわらず、同一労働同一賃金の制度化とともに契約が打ち切られることも考えられます。

そもそも企業が派遣社員を雇う理由は、正社員よりも少ないコストで人材が確保できたことが大きいです。しかし、同一労働同一賃金が義務付けられて派遣社員にも同じ給料を支払わなければならなくなった場合、企業にとっては派遣会社にマージンを支払わなければならない分、直接正社員を雇う以上にコストがかかってしまいます。

派遣社員を減らした分、正社員を多く雇う企業も増えると考えられるため、人によっては派遣社員から正社員に登用される可能性も大です。また、正社員求人がこれまでより増えることも予想されますから、望んで派遣社員という働き方を選んでいる人以外にとってはチャンスとも言えるでしょう。

いつから同一労働同一賃金が適用されるの?

同一労働同一賃金はすでに2020年4月1日から適用が始まっています。ただし、この日付から適用が始まるのが大企業のみです。中小企業では2021年4月から適用されることになっています。

ちなみに、業種によって中小企業とされる範囲が異なります。小売業の場合は、常時雇っている労働者の数が50人以下で、資本金/出資総額が5,000万円以下の企業です。サービス業の場合、後者は同じく5,000万円以下ですが、労働者数が100人以下の企業まで中小企業に含まれます。さらに、卸売業の場合、労働者数100人以下、資本金/出資総額1億円以下の企業が中小企業です。

なお、小売業、サービス業、卸売業のどれにも当てはまらない企業の場合、労働者数300人以下、資本金/出資総額3億円以下の企業が中小企業となることに留意しておきましょう。

まとめ

同一労働同一賃金とは、正規雇用労働者(いわゆる正社員)と、派遣社員やパート・アルバイトといった非正規雇用労働者の賃金・待遇の格差を解消することを目的として作られた制度です。基本的には、派遣社員も正社員と同じ高い賃金と手厚い待遇が受けられるようになるうれしい制度と言えるでしょう。ただし、これまでやる必要のなかった仕事までやらなければならなくなったり、契約を打ち切られてしまうリスクがあったりなど、メリットばかりではないことにも注意が必要です。

今回の改正労働者派遣法により、派遣会社はこれまで以上に大きな説明義務を負うことになっています。賃金や待遇のことで気になること、疑問に思うことなどがある時は、登録する派遣会社にしっかり説明を求めることが大切です。

ピックアップ求人

送風機組立の補助作業【未経験者歓迎!資格取得補助あり】
# 資格取得支援 # 交通費支給 # 年齢不問 # 制服貸与 # 学歴不問 # 車通勤可能

製造・組立・検査、製造・物流・…

送風機組立の補助作業【未経験者歓迎!資格取得補助あり】

  • 時給1,080円~
  • 福島県伊達郡国見町
  • 派遣社員 ※正社員登用実績あ…
詳細を見る
【急募!】プリンターの組立・梱包作業/日勤専属
# 昇給あり # 交通費支給 # 年齢不問 # 社宅・寮あり # 制服貸与 # 学歴不問

製造・組立・検査、製造・物流・…

【急募!】プリンターの組立・梱包作業/日勤専属

  • 時給1,000円~
  • 福島県福島市西部
  • 派遣社員
詳細を見る
【未経験歓迎】パッキンの接着加工などの軽作業
# 交通費支給 # 年齢不問 # 制服貸与 # 学歴不問 # 車通勤可能 # 女性活躍中

製造・組立・検査、軽作業、製造…

【未経験歓迎】パッキンの接着加工などの軽作業

  • 時給1,000円~1,100円…
  • 福島県二本松市 就業先の詳細…
  • 派遣社員
詳細を見る
倉庫内作業【フォークリフト資格取得支援・正社員登用制度あり】
# 昇給あり # 資格取得支援 # 交通費支給 # 年齢不問 # 社員登用あり

仕分け・梱包・ピッキング、フォ…

倉庫内作業【フォークリフト資格取得支援・正社員登用制度…

  • 時給1,030円~
  • 福島県福島市
  • 派遣社員
詳細を見る
ジュースの検品作業
# 高収入 # 交通費支給 # 年齢不問 # 制服貸与 # 学歴不問 # ママさん活躍中

食品製造、製造・物流・軽作業

ジュースの検品作業

  • 時給1,100円~
  • 福島県伊達市梁川町
  • 派遣社員
詳細を見る
【11:30~遅めの出勤!】レンタカーの回送・洗車
# 交通費支給 # 社員登用あり # 制服貸与 # 即日勤務 # 5名以上募集

軽作業、製造・物流・軽作業、そ…

【11:30~遅めの出勤!】レンタカーの回送・洗車

  • 時給1,050円~
  • ・福島県福島市(福島駅近郊) …
  • 派遣社員
詳細を見る