応用情報技術者試験(AP)の難易度や役立つシーンを紹介
目次
これからのIT社会に備えていくためには、幅広い知識を身に付けなければいけません。IT企業に転職するとなったら、資格を取得することは重要です。でもどんな資格を取得すればいいのかわからない、という方も少なくはないでしょう。この記事では、応用情報技術者試験について詳しくご紹介します。
応用情報技術者試験(AP)とは

応用情報技術者試験は国家資格であり、情報処理技術者試験の区分に設定されています。ITパスポート試験、基本情報技術者試験を経て受験することが多く、ITに関する応用レベルの知識と技能が求められます。ITエンジニアでのレベルアップを図るためにはおすすめの資格です。
くまなく勉強することで、システム開発やIT基盤構築まで、幅広い業務で高パフォーマンスを発揮できます。システムエンジニアやサーバーエンジニア、さらにはシステムインテグレータを目標にしているなら、勉強しておいて損はありません。
ですが難易度は高く、ITの知識が皆無なのであれば最低でも500時間の勉強時間を見積もっておいた方がよいでしょう。基本情報技術者試験合格者であれば、200時間ほどの勉強時間を確保してください。
応用情報技術者試験(AP)の受験資格と試験内容・難易度
ITエンジニアとして応用レベルの知識を持っていることを証明してくれる応用情報技術者試験ですが、受験資格について制限はあるのでしょうか。また、応用情報技術者試験の難易度は高いとされていますが、合格率は基本情報技術者試験と同じく20%前後です。それなのになぜ難しいとされているのか、受験者の層や試験内容から、真相を探っていきます。
応用情報技術者試験(AP)の受験資格
受験資格の制限は一切ありません。関連する業務に携わったことが無い方や、学歴の無い方でも難なく受験することができます。ですが受験者は経験豊富なエンジニアが多く、新人やITに疎い方の受験はほぼありません。普段エンジニア職に携わっている方が、自らのスキルアップを目指して受験することが多いです。
応用情報技術者試験(AP)の試験内容

応用情報技術者試験は午前試験と午後試験に分かれています。午前試験ではテクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系の3つに分かれていて、どれも4択問題です。テクノロジ系はIT技術に関する幅広い知識が問われ、計算問題の出題もあります。マネジメント系はプロジェクト・サービスマネジメントや、システム監査の出題が多く、ストラテジ系は企業活動やシステム戦略・企画、さらには法務に関する出題まであります。
午後は記述式問題になっていて、問題を4問、自らの選択により決定します。それとは別で「情報セキュリティに関すること」は必須問題になっています。選択する4つは、「ストラテジ」「システム構成技術」「ネットワーク」「データベース」「プログラミング」「情報システム」「組込みシステム」「プロジェクトマネジメント」「サービスマネジメント」「システム監査」の中から選びます。得意分野から選ぶも良し、スキルアップしたい分野から選ぶも良しです。
応用情報技術者試験(AP)の難易度
近年合格率は21.5%であり、基本情報技術者試験とあまり変わらないようにも思えます。ですが受験者の層がエンジニアであり、30代での受験も多いです。それに比べて基本情報技術者試験の受験者は新人だけでなく学生も多くいるため、難易度の違いは明確です。加えて、情報処理技術者試験制度のスキルレベルが1~4に設定されている中の3に相当するため、かなり難しい試験になっています。
合格点は午前・午後の試験ともに60点以上ですが、必要な勉強時間の目安は500時間になることもあります。ITについての知識の有無により勉強時間は変わりますが、これは難関資格である簿記1級と同じ目安の勉強時間です。年に2回受けられるとはいえ、余裕を持って勉強に励まなければいけません。
応用情報技術者試験(AP)が役立つ仕事
応用情報技術者試験の資格が役立つ職業については、システムエンジニアとサーバーエンジニアがあります。システムエンジニアの業務では、クライアントの要求に沿ったシステムを開発します。開発の現場に当たり、要件定義・システム開発からプログラミング・テストまで、つまり上流工程から下流工程を全て成し遂げます。
サーバーエンジニアは、サーバーを構築・設計し、管理保守まで担当します。構築業務ではサーバーを設計・構築し、保守業務では各サーバーの保守を行います。
システムエンジニア
システムエンジニアの中には応用情報技術者試験の資格を持っていない方もいます。ですが、取得することで転職が圧倒的に有利になります。それは、応用レベルの知識が求められるこの資格を持っていることで、即戦力になる可能性があるからです。上流工程から下流工程まで、全て応用情報技術者試験に盛り込まれています。とはいっても浅く広くですが、システムエンジニアは様々な知識を身に付けておいて損はありません。
システムエンジニアには国家資格による専門知識の証明が最も良い方法です。応用情報技術者試験の資格を持っていることで、持っていないエンジニアよりもワンランク上だと裏付けすることができます。システムに関連している基礎的なスキルだけではなく、管理や経営の仕方も学べます。システムエンジニアはクライアントの対外的な調整が業務に盛り込まれているため、戦略立案やマネジメントなども網羅している応用情報技術者試験は、打ってつけの資格です。
サーバーエンジニア

サーバーエンジニアも、応用情報技術者試験の資格は必須ではありませんが、転職に有利になります。サーバーにはWebサーバー、ファイルサーバー、メールサーバーなど様々種類のものがあります。構築業務はサーバーを設計する際のコストや設置場所の通信速度、それ以外にもたくさんの要素を考慮しなければいけません。その反面、保守業務はサーバーやジョブの監視、セキュリティチェック、バックアップなどサーバーの保守を多岐にわたり担当します。
サーバーエンジニアに必要なスキルはWindows、Mac、LinuxなどのOSやサーバー用のアプリケーション、ネットワーク全体などの知識です。また、セキュリティスキルも身に付けなければいけません。サーバーエンジニア関連の資格はベンダー資格が多いです。それと合わせて応用情報の資格を取得することで、サーバーからネットワークまで、インターネットのあらゆる知識を有していると証明することができます。
応用情報技術者試験(AP)まとめ一覧表
資格種別 | 受験資格 | 試験日程 | 試験方法 | 受験料 | 試験場所 | 申込方法 |
情報処理技術者試験 | なし | 4月と10月の第3日曜日 | CBTへ移行 | 5,700円(税込) | 全国主要62都市 | IPAのHPより申込 |
合格発表は試験日補約2か月後で、合格発表当日の正午にIPAのHPで公開され、同時に官報に掲載されます。合格発表の日程詳細は、試験が開催された当日の夜にIPAのHPにより発表されます。
まとめ

応用情報技術者試験は受験資格こそありませんが、ライバルは手に職をつけているエンジニアが多く、難関資格でもあります。ですが取得すると、自分のスキルアップだけではなく周りからの評価も上々であり、転職にも非常に有利です。エンジニア関連の職を希望している方であれば、身に付いた知識を活かせることも多いでしょう。IT社会を生き抜くために、応用情報技術者試験の合格を目指してみませんか?資格に興味があるという方は、この記事で解説した内容を参考にしてみてくださいね。