ビジネスマナーの基本講座|社会人として最低限の仕事マナーを押さえよう
目次
ビジネスマナーは社会人として働くうえで非常に重要です。社内外の人から信頼を得て、円滑に仕事を進めていくためにはビジネスマナーを身につけることが欠かせません。ここでは、主なビジネスマナーについて、基本から押さえておきたいポイント、実際のシーンでの使い方などを解説するので参考にしてください。
ビジネスマナーの種類
ビジネスマナーとして身につけておくべきことには、シーンにもよりますが、主に以下の種類があります。
- 挨拶
- 言葉遣い
- 身だしなみ
- 電話応対
ビジネスマナーは社会人として仕事をするうえで身につけておくべきものです。ビジネスマナーが身についていないと、気づかないうちに相手に不快な想いをさせてしまい、業務が円滑に進まなくなる恐れがあります。社会人として基本的なビジネスマナーを身につけておきましょう。
【挨拶】ビジネスマナーの基本

ビジネスシーンでは、相手に良い印象を与えられるような気持ちのよい挨拶をする事が基本です。明るい表情で相手の目を見ながら挨拶をすると好印象になります。また、相手にきちんと声が届くように、明るく元気な声で挨拶をしましょう。ただし、静かな場所で大きな声を出すと場違いになってしまうため、シーンに応じて声の大きさを変えるようにするなどの工夫が必要です。
押さえておきたいポイント
挨拶をする際には、お辞儀をシーンによって使い分けるのがポイントです。お辞儀は深さによって3種類に分けられます。共通点として、お辞儀をするときは背筋を伸ばして腰から上半身を倒します。そのときに、男性は手をズボンの脇につけておきますが、女性は両手を前で揃えても構いません。
まず、社内の廊下で人と会ったときなどに会釈をするときは、腰から上半身を15度ほど前に倒します。特に会釈は首だけをペコっと下げてしまいやすいため、注意が必要です。
お客様の応対をするときや取引先に伺ったときには、中礼と呼ばれる一般的なお辞儀をします。中礼は腰から上半身を30度ほど前に倒すお辞儀です。お礼は、謝罪をするときは最敬礼と呼ばれる丁寧なお辞儀をします。最敬礼は、腰から上半身を45度ほど深く前に倒した後、一呼吸おいてからゆっくりと身体を戻すのがポイントです。
シーン別応用編
実際にビジネスで挨拶をする際には、シーンに応じて使い分ける必要があります。
- 出勤時:「おはようございます」と明るく元気よく挨拶をします。
- 外出時:自分が外出するときは「行ってきます」「行ってまいります」と挨拶するとともに、行先や帰社予定の時間を伝えましょう。ほかの人が外出するときは同僚の場合は「行ってらっしゃい」、上司に対しては「行ってらっしゃいませ」を用います。
- 帰社時:自分が帰社したときには、「ただいま、戻りました」と帰社したことを周囲に伝えてから席につきます。ほかの人が帰社したときには、「お帰りなさい」や「お帰りなさいませ」、あるいは「お疲れ様です」を使います。
- 廊下や階段ですれ違うとき:目礼や会釈をするか、「お疲れ様です」と挨拶をします。
- 退社時:自分が退社するときは「お先に失礼します」、ほかの人が退社するときは「お疲れ様です」と挨拶をします。
【言葉遣い】ビジネスマナーの基本

シーンに応じて適切な言葉遣いで話すのは、社会人の基本的なビジネスマナーです。適切な言葉遣いで話せなければ、相手に未熟な印象を与えてしまいかねません。言葉遣いによって相手に配慮や気遣いを表すと、信頼関係を構築してビジネスを円滑に進めることができます。
また、緊張したときや電話応対などの咄嗟のシーンでも、自然に適切な言葉遣いができるようになるには、普段から注意して対応しておくことが大切です。
押さえておきたいポイント
ビジネスシーンでは基本的に敬語を使いますが、敬語には敬意の表し方によって尊敬語と謙譲語、丁寧語という種類があります。尊敬語は相手を立てることで敬意を示すのに対して、尊敬語は自分がへりくだることで相手を高めて敬意を示す言葉です。相手の動作について話すときは尊敬語、自分の動作について話すときは謙譲語を使います。また、丁寧語は丁寧に話すことで相手に敬意を示す言葉です。
相手による違いとしては、社外の人に対しては敬語を使います。ただし、社外の人に対して、自社の人のことを話すときは、たとえ上司であっても敬語は使いません。一方、社内では上司や先輩に対しては、尊敬語や謙譲語、同僚に対しては丁寧語を使います。また、社内で取引先などお客様の話をするときには、敬語を用います。
シーン別応用編
ビジネスシーンで間違いやすい敬語表現の例を挙げていきます。
- 相手の動作には謙譲語ではなく、尊敬語を使う:×「こちらの資料を拝見してください。」〇「こちらの資料をご覧ください。」
- 相手の動作に謙譲語を丁寧な言い回しで使わない:×「不明な点は山田にお伺いください。」○「不明な点は山田にお尋ねください。」
- 社外の人に自社の人のことを話すときに尊敬語を使わない:×「田中課長は社内にいらっしゃいます。」〇「田中は社内におります。」
【身だしなみ】ビジネスマナーの基本

ビジネスでは初対面の人などよく知らない相手と接することもあります。身だしなみは年齢や地位などが異なる相手を判断する材料のひとつです。髪がボサボサだったり、しわだらけのスーツを着ていたりするのでは、取引先から信用されないリスクがあります。相手に不快感を与えないように身だしなみを整えることも、ビジネスの基本的なマナーです。
押さえておきたいポイント
職場によってドレスコードは異なりますが、不潔にしていると取引先だけではなく、周囲にも不快感を与えてしまいます。身だしなみで最も大切なのは清潔感です。
- スーツ・作業着:サイズが合ったものを選び、奇抜なデザインのタイプは避けるようにしましょう。また、しわのない状態で着用します。
- 髪の色・髪型:髪の色は男性の場合黒髪が無難ですが、女性は暗い茶髪であれば問題のない職場が多いです。カラーリングが許されている場合も、派手な色は避けるようにします。髪型は定期的に理容院・美容院に行き、整えておきます。女性で髪が長い場合はまとめておくと良いでしょう。
- アクセサリー:男性のネックレスやピアスは認められない職場が多いです。女性も派手なピアスや大きな石のついた指輪は避けるようにしましょう。
- ネイル:ネイルは一般的に業界によって自由度が異なります。アパレルや美容、マスコミ、WEBといった業種の職場では自由度が高く、医療や福祉、金融では自由度が低い傾向があります。オフィスワークでは、透明やナチュラルカラーのマニュキュアにとどめるのが無難です。
また、服装を整えるだけではなく、ハンカチを持ち歩くことも身だしなみのひとつです。取引先などの前でヨレヨレのハンカチを出すことがないよう、汗や手を拭く用と予備のハンカチを持っておくと良いでしょう。
【電話応対】ビジネスマナーの基本

職場での電話応対にもビジネスマナーがあり、基本的な言い回しはシーンごとに決まっています。初めは電話応対に苦手意識を持つかもしれませんが、自然な受け答えができるようになるには慣れが必要なため、数をこなすことが必要です。電話応対に慣れないうちは家で練習して丸暗記をしたり、話すべき内容を書き出したりしておくと良いでしょう。
押さえておきたいポイント
電話応対の仕方は架電(=電話をかけるとき)と受電(=電話を受けるとき)に分けられます。また、職場の電話には会社の外と通話する外線と、社内で通話する内線があります。
外線を受けたときは相手の会社名や名前、自社の担当者名、用件などは復唱して間違いのないようにしましょう。外線で社外の人に自社の人のことを話すときには、敬称をつけずに呼び捨てにするという点に注意が必要です。また、電話はかけた方から先に切るのがマナーであることを知っておきましょう。
シーン別応用編
電話の応対はシーンごとに基本的な流れがあるため、言い回しを覚えておくと、あとは応用して対応できるようになります。
- 外線からかかってきたときの対応
- 内線でかかってきたときの対応
- 取り次ぎを頼まれたとき
- 伝言を頼まれたとき
- ミスの指摘・クレーム
外線からかかってきたとき
自分:「お電話ありがとうございます。株式会社○○の○○○○でございます。」
相手:「株式会社○○の○○○○です。」
自分:「株式会社○○の○○○○様でいらっしゃいますね。」
外線がかかってきたときは、3コール以内で電話をとるのが基本です。すぐに電話に出られず3コール以内にとれなかった場合には、「大変お待たせいたしました。株式会社○○の○○○○でございます。」と言い替えます。ビジネスシーンでは、「もしもし」という言葉は使いません。相手の会社名や名前は復唱するともに、メモにとっておきます。
内線でかかってきたとき
自分:「○○課○○○○です。」
相手:「○○課○○○○です。お疲れ様です。○○さんいますか?」
自分:「お疲れ様です。○○さんですね。少々お待ちください。」
内線がかかってきたときには、部署名と名前を名乗ります。社内の挨拶は電話でも「お疲れ様です」が基本です。
取り次ぎを頼まれたとき
相手:「Aさんをお願いします。」
自分:「Aでございますね。少々お待ちください。」(保留)
<Aさんが社内にいる場合>
自分:(Aさんに)「株式会社○○の○○○様からお電話です。」
<Aさんが外出中の場合>
自分:「申し訳ございませんが、Aはただいま外出しておりまして、●時に帰社する予定になっております。折り返しお電話をするように申し伝えますので、お電話番号をお教えくださいますでしょうか。」
取り次ぎを頼まれたときは一旦保留のボタンを押して、社内にいるか確認します。不在の場合は折り返しの電話をかけることを提案し、電話番号を尋ねます。
伝言を頼まれたとき
担当者が不在の場合、用件を聞いて伝言を残すという方法もあります。
自分:「差し支えなければ、ご用件をお聞きします。」
相手:「○○○○○○○○とお伝えください。」
自分:「かしこまりました。○○○○○○とAに申し伝えます。」
伝言を頼まれた場合は内容を復唱します。電話を終えた後は、すぐに伝言のモを作成して、担当者のデスクに置いておきましょう。伝言メモに記載する内容は「相手の会社名・名前」「電話を受けた日時」「伝言内容「自分の名前」です。
ミスの指摘・クレーム
相手:「どうなっているんだ…(ミスの内容)…こんな状況では困る。」
自分:「お気持ちはわかります。」
相手:「○○な状況のままでは困るので、○○して欲しい。」
自分:「ご迷惑をおかけして、大変申し訳ございませんでした。大変恐れ入りますが、その件に関しましては少々お時間を頂戴したいため、折り返しお電話を差し上げてもよろしいでしょうか?」
ミスの指摘やクレームの電話があった場合は、まずは相手の話をよく聞くことが大切です。「お気持ちわかります」といった共感を示す言葉を用いながら、内容をメモし、一通り状況を確認したら、迷惑をかけている状況に対して謝罪をします。自分では対応が難しい場合は勝手に判断せず、謝罪をした後に折り返しの連絡をすることを伝えて、上司などに相談しましょう。
ビジネスマナー研修の内容

ビジネスマナー研修は主に入社時に社員に対して、基本的なビジネスマナーの習得を目的に行います。ビジネスマナー研修の内容は、一般的に社会人としての身だしなみや挨拶の仕方、電話応対やメール、言葉遣い、名刺交換や来客対応といったものです。研修による違いはありますが、講義のほか、トレーニングやロールプレイングによる実践的な指導が取り入られています。
ビジネスマナー検定の概要と目的
ビジネスマナー検定で代表的なのは、公益財団法人実務技能検定協会による「ビジネス実務マナー検定」です。ビジネス実務マナー検定は「職場の常識の育成」を目的に実施されていて、ビジネス社会の基本ルールを問われます。ビジネス実務マナー検定には1~3級が設けられていて、2・3級は筆記試験のみですが、1級は面接試験も課せられます。受験資格に制限はないため、誰でも受験することが可能です。
ビジネス実務マナー検定の出題領域は、「必要とされる資質」「企業実務」「対人関係」「電話実務」「技能」の5つです。たとえば、3級では「必要とされる資質」では仕事の指示を受け方、「企業実務」では注文した物と違う品が届いた場合、「対人関係」では断りの言葉の柔らかい言い方、「技能」では伝言の受け方に関する問題が出題されます。ビジネス実務マナー検定を取得するだけでは高収入を得るのは難しいですが、新卒や既卒、第二新卒の人などは、就職や転職の際に基本的なビジネスマナーが身についていることのアピール材料として役立てられます。
まとめ

ビジネスマナーは難しいと感じる面もあるかもしれませんが、一朝一夕には身につきにくく、繰り返し実践していくことで、徐々にスマートに振舞えるようになります。また、ビジネスマナーを身につけると信用を得られやすくなり、仕事もスムーズに進めやすくなるということがメリットです。基本的なビジネスマナーを身につけて、気持ちよく仕事をしていきましょう。
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