異業種への転職の実態!成功例・失敗例とその理由
目次
業界・業種未経験者を歓迎する企業の求人も増えている中、どのような業種が異業種からの転職者を多く受け入れているのでしょうか。異業種への転職を目指してみたものの、書類審査や面接が突破できない、転職後に企業側と求職者の需要にズレがある、といったことは珍しくありません。転職を成功させた人と、失敗した人とは、それぞれどのようなきっかけ、方法で転職活動を進めたのでしょうか。
異業種への転職の実態とは
かつての就職活動で叶えられなかった憧れの業界に入りたい、成長している業界に入って自分も成長したい、経歴の幅を広げたいなど、異業種への転職を目指そうと思いいたった理由はさまざまです。転職するには、これまで培ってきたスキルや経験を生かすことができる同業他社を希望する方が多いといわれていますが、新しいことに挑戦するため異業種への転職を希望する方も実は多いのです。
異業種への転職の難しさは、業界によって常識がまったく異なるところにあり、社内で使用される業界用語や仕事の進め方はもちろん、スピード感や人間関係なども一変してしまいます。しかし、転職全体における異業種への転職者の割合は多く、必ずしもこれまでのスキルや経験が生かせない転職ばかりではありません。異業種への転職を成功させるポイントを押さえて成功させましょう。
異業種への転職成功例

「SIerの人事総務」から「ECサイト運営会社の人事総務」へ(30代後半・男性Mさん)
Mさんは、IPOの準備経験が豊富な点を強みに、業種をこだわらず転職活動をしていました。企業選びの軸は「裁量権が大きい」ところです。これまでの経験から「自由に仕事を任され、その分の責任を負う」働き方が、パフォーマンスを発揮する上で重要だとはっきりしていたので、面接でも企業に対し「こういう働き方をしたい」と伝えていました。価値観が折り合わずに採用に至らなかった企業もありましたが、Mさんにとって大事な部分を曲げなかった。だからこそ入社後のミスマッチもなく、今も活躍されています。 |
出典:異業種転職で失敗するのはどうして?異業種転職の成功・失敗事例(参照 2020-12-27)
こちらのケースの場合、自分の働きたいビジョンがはっきりとしており、そのことを企業側にしっかりと伝えられたことが成功した大きな理由といえそうです。採用されないことがあったとしても、自分にとって大事な部分を曲げないことにより、入社後のミスマッチを防ぐことができます。
異業種への転職失敗例
「アクセサリーの販売・接客業」から「宝石の専門商社の購買・仕入れ」へ(20代後半・女性Yさん)
大好きなアクセサリーを扱う仕事がしたいと、アクセサリーブランドのメーカーに新卒で入社したYさん。販売・接客業を3年間経験しましたが、休みが不定期なことや給与がなかなか上がらないなどの理由から「今後、店長やエリアマネージャーへとキャリアアップするイメージが持てない」との理由で転職を考え始めました。 企業選びでは「アクセサリーが好き」という軸がぶれないようにして、宝石を扱う専門商社の購買・仕入れ部門の採用が決まりました。しかし、入社してすぐに「風土が合わない」と実感することに…。転職先は老舗の商社で年功序列のカルチャーが根強く、前職の「若い社員が多くて風通しがよい」雰囲気とはまったく違ったようです。ご本人は「勤務体系や給与」「仕事内容」を重視して転職しましたが、環境が変わってはじめて「社風」や「周りにいる人」が大切だったのだと気づいたそうです。現在「社風」の軸も重視しながら再び転職活動をしています。 |
出典:異業種転職で失敗するのはどうして?異業種転職の成功・失敗事例(参照 2020-12-27)
こちらの女性は、自分の好きなことを仕事に選び、軸がぶれないように転職活動を行い、入社することができましたが、入社してすぐにミスマッチに気がつきました。軸がぶれないように一貫したアピールができれば成功する可能性は高いです。応募する企業のリサーチも事前にしっかりと行い、将来のビジョンを持つことが重要だといえるでしょう。
異業種への転職を成功させるためにするべきこと
異業種への転職をするにあたって重要なことは、自分のスキルや経験を振り返ってみることと、応募する企業のリサーチです。異業種に転職するからといっても、これまで培ってきたスキルや経験は全てゼロになってしまう訳ではありません。ゼロからスタートする気持ちは大切ではありますが、生かせるスキルは応募企業へのアピールに繋がります。
異業種からの転職を受け入れやすい業種を研究する

異業種からの転職を受け入れやすいのは「商社・流通業界」「サービス業界」「メディア業界」です。
・商社・流通業界
受け入れた転職者の内の8割が異業種からの人材です。
・サービス業界
受け入れた転職者の74.8%を異業種からの人材となっており、人材サービス関連への転職で6割になります。
・メディア業界
受け入れた転職者の68%が異業種からの人材となっており、異業種からの転職が多い業種です。
出典:doda 5000人の転職事例から探る 異業種転職を受け入れる可能性の高い業種は?(参照 2020-12-27)
ただし、受け入れやすい業種と受け入れにくい業種がはっきりと分かれている訳ではなく、ケースバイケースの場合もあるようです。
転職市場での自分の価値を見極める

異業種への転職で大事なことは、自分の「市場価値」を知っていることだといえます。市場価値とは、自分自身を商品としてみたときに、今勤めている会社内ではなく「他社からみた場合において価値があるかどうか」です。市場価値をより深く知るためにも、スキルや経験などを振り返り、書き出してみるとよいでしょう。自分の持っているスキルに合う業種を見極められると、転職に成功する確率も上がります。
できることできないことを明確にする
スキルや経験を見返して書き出し、自分の市場価値を見極めることは、異業種への転職において重要です。応募する企業が求めているスキルや経験が自分にもあるのかどうかという点は、求人を見たときにまず考えるでしょう。また、できることばかりに目を向けるのではなく、できないことを明確にしておくことも重要です。
資格を取得しスキルアップする
採用条件として資格の有無を問わない求人の割合は77%、資格が必須の求人は全体の15%、資格があると尚可の求人は8%です。また、職務の経験が求められる求人の割合は85%で、経験不問の求人は15%に留まっています。ただし、転職に生かせそうな資格を取得すると「市場価値」が上がり、転職に成功する可能性は高まります。
出典: 転職で本当に有利な資格は?(参照 2020-12-27)
注意!こんな時は異業種への転職は一度立ち止まって
異業種への転職に踏み切る前に、もう一度自分を見つめ直すことが必要です。20代の若手の場合は、たとえ経験があまりなくても「入社後に育てればよい」と将来性を優先され、そこまで厳選せずに採用されることもあります。年代別に異業種への転職がどの程度の割合なのか見てみると、24歳以下の年代では66.5%を占めますが、年齢が上がっていくにつれて割合が低くなり、40~44歳では51.0%まで下がるのです。
出典:doda 5000人の転職事例から探る 異業種転職を受け入れる可能性の高い業種は?(参照 2020-12-27)
また、現在専門性や特殊性の高い仕事をしている場合は、今まで培ってきたスキルや時間を無駄にしないためにも、スキルにこだわってしまう傾向があります。異なる資格や特殊なスキルが必要となる業種を希望している場合には、経験不問の求人を探すか、資格やスキルを身につける必要があるため、転職までに時間がかかるでしょう。転職活動が長期化すると、特に在職中の場合は両立させる必要があるため、心身共に疲れてしまいかねないので注意が必要です。
まとめ

異業種への転職は、これまでのスキルや経験が生かせない転職ばかりではありません。業界全体を見て、成長していくかどうかという視点で転職先を検討することは大切ですが、それぞれの業界に異業種からの転職を多く受け入れる傾向のあることも確かです。自分の経験を生かすことができるのか、どう生かせるのかを考えながら、業界研究をしてみてください。
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