コロナでアパレルに転職できる?注意点と対策
目次
コロナ禍以前より事業譲渡・売却、廃業など業績悪化の状態が続いていたアパレル業界ですが、コロナの影響で次々と小売大手まで倒産するような状態に陥っています。ファッションや接客という仕事に愛着を持って続けてきた人や、洋服が大好きだからアパレルの仕事をしてみたいと思っている人にとって、転職先として検討をしても大丈夫なのか、アパレル業界について詳しくみていきましょう。
アパレル業界の現状

かつてのアパレル業界は価格が高い物がよしとされ、有名ブランドのアイテムがよく買われていました。平成から徐々に若者たちは安くてトレンドを押さえているもの、シンプルでいつでも着られるものに好みがシフトし始め、ユニクロやジーユーなど安くて品質も悪くない商品を好んで買うようになりました。流行は、ファストファッションと呼ばれるこれらのブランドが作り出しているのが現状です。
しかし、ファストファッションだからといって安泰というわけではありません。2009年、原宿に日本の1号店を開店したフォーエバー21は、ロサンゼルスのトレンドを押さえた低価格の服を販売したことから、安くておしゃれでかわいいと当時の日本で大流行しました。数百円から高くても数千円の価格は、小学生から高校生、大人まで手軽に購入できると話題になりました。しかし、日本人に合わないサイズ感やデザインであったこと、ストリートカジュアルへ流行が転換したことなどが要因となり、次第に客が離れ日本から撤退することとなります。そして、2019年にはアメリカで連邦破産法11条の適用を申請するにいたります。
ブランドによっては業績が落ち込み、自社で企画し縫製するのではなく、全て海外工場に外注するところも増えています。そうしたことから、アパレル業界の花ともいえるデザイナー、パタンナーの仕事は少なくなっています。
アパレル業界の今後
コロナ禍で、今までのやり方では商品が売れないことを認識し、視点を変える頭の柔軟性が必要となります。アパレル業界には老舗企業が多いですが、古い体質のままでは未来はありません。
○EC通販関連
実店舗に頼りきりだった体勢を見直し、ECマーケティングの強化に乗り出しています。
実際に店舗に足を運ぶことができない状況のため、通信販売などの商品を充実させることがポイントとなるでしょう。
○販売員の役割
来店してくれるお客さまに誠意を込めて接客することはもちろん、SNSを利用して商品を発信していくことも今後必要になる販売スキルです。そういったスキルは販売をしながら勉強していくことも可能です。
EC化率が進む

経済産業省が発表した2019年のアパレルEC化率は12.96%で、EC市場規模は約1億9千万円となり、アパレルECの市場規模は右肩上がりになっています。この数年でアパレルに特化したEC支援サービスが拡充され、それにあわせて物流など効率化されたことから、アパレルECを運営するブランドが増えています。アパレル市場は毎年EC化率が1~2%程度上昇しており、12.96%は全産業の平均EC化率の6.76%を大幅に上回る結果となっています。
これをアパレル通販の順位別に見てみると、1位ユニクロ、2位ベルーナ、3位はQVCジャパンです。ベルーナとQVCジャパンは、雑貨や貴金属を含んでいますので、ファッションだけで考えるとユニクロが一番となります。
ECが好調の要因として、コロナ禍による巣ごもり消費が増えたことや、ネット通販でも自分に最適なサイズを選びやすくなり、返品や受け取り方法の選択肢が増えたことなども挙げられるでしょう。またSNSが普及したことで、ユーザーに直接ブランドの魅力を伝えられるようになったことも要因の一つです。
販売職の役割
リアル店舗はなくならないとしても、ECとの連携が必要になってくるでしょう。店舗や個人のSNSで情報を配信し、それを見た顧客が店舗へ来店、または店舗で見た顧客がECで購入などが多くなり、店舗とECどちらの売り上げなのか、スタッフの個人成績が分からないこともあります。
そこで、「デジタル接客」という非対面で販売員個人のSNSから接客や集客をするシステムが導入されました。この「デジタル接客」により、顧客がどのようなユーザーのSNSを見て購入したのか、販売員の成績の可視化とECの売り上げにどこまで貢献できたかを把握することができるようになります。
店舗の休業など非常事態が起きても、慌てることなくデジタル接客で強みを発揮できます。デジタル接客で貢献した分、インセンティブが発生する場合があります。
店舗で接客するような感覚で、販売員が顧客ごとにおすすめ商品を案内したり、自宅で撮影したコーディネートをインスタグラムなどに掲載し、ECサイトへ誘導したりすることで、店舗の売り上げ分をある程度吸収することができるようになりました。
アパレル業界への転職は難しい
販売スキルに加えて、SNSに詳しい人やスキルを持っている人が今後のアパレル業界にとって必要とされる人材になるでしょう。店舗拡大という方法は今後立ち行かなくなってくる可能性があります。そのため、自身の販売スキルやコーディネートなどのファッションセンスを磨き、リアル店舗で顧客となってくれた人に対してSNSやECでのデジタル接客をすることで、社会情勢がどのように変化しても売り上げを維持することができます。リアル店舗での販売と同時並行でSNSのマーケティングスキルを身に付けることが、これからのアパレル業界では必要になってきます。
また、正社員よりも人件費を抑えられるという点で、業務委託契約も増えています。中堅の中小企業では、急にITやECを本格的に着手することになっても正社員で採用するのはハードルが高いと感じる場合が多く、週に2~3日出勤できる人と業務委託契約をしたり、あえて他の業界からエンジニアを副業として採用し、社内に新しい価値観を取り入れたりする企業もあります。
アパレル業界が求めている人材

ECのスキルを身に付けた人材がこれからのアパレル業界に必要ですが、販売スキルがなくてもよい、というわけではありません。ECが伸びている中で、店頭でどう活躍するのか、店舗の販売員の価値とは何か、を考えられる販売員は評価されるはずです。そして販売スキルに加えてマーケティングスキルが身に付いた販売員は、アパレル業界が求めている人材といえるでしょう。
このような苦境のときには、スキルや経験があり即戦力となる人材を必要としています。求人数は3.1%増で以前と比べて少しずつ戻ってきているため、経験やスキルがあってアパレル業界に復職しようと考えている方は、この機会に応募してみるのもよいでしょう。
また、アパレル業界が未経験の方や転職回数が多い方は、転職理由や思い描いているビジョンをしっかり説明できるように準備を万全にしてください。
参考:コロナ禍で沈むアパレル、それでも確実に求められる人材とは?(2021年3月21日)
アパレル業界への転職のポイント
SNSは遊びの延長として毎日の生活の中に溶け込んでいます。マーケティングスキルとなると難しいと感じる人も多いかと思いますが、自身で選んだかわいいと感じる洋服の魅力をいかに発信するか、気負わず楽しみながらスキル習得をしてください。販売員は、接客スキルに加えてSNSなどで顧客との繋がりを持つことも今後重要なポイントになるでしょう。新しい場所でもすぐに顧客開拓ができるはずです。
まとめ

アパレル業界は少しずつ求人が増えてきていますが、ファッションセンスや接客スキルだけではなく、SNSを利用したマーケティングスキルにも力を入れている傾向がうかがえます。客が店舗に足を運んでくれる機会が少ない状況の中で、いかに集客するのかが大変重要なポイントになります。そのため、SNSを抵抗なく利用できる人はアパレル業界にとって即戦力になるでしょう。また、SNSに詳しくなくても、日頃からファッションに関してアンテナを張っておくことも、アパレル業界では必要なことです。
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