履歴書の書き方を項目別で解説|記入時の注意点、転職の志望動機の見本など
目次
いざ書こうとしても意外とわからないのが「履歴書」の書き方です。市販の履歴書はどこでも手に入れることができますが、項目にばらつきがあり、どの履歴書が自分に合っているかを判断するのは意外と難しいと言えるでしょう。
ここでは、そうした悩みを解決する「履歴書の選び方」と「書き方」を解説していきます。履歴書作成の注意点も解説しているので、これから履歴書を準備する人は参考にしてください。
履歴書の基本的な書き方
履歴書は応募者の学歴や職歴などを記したものです。企業の採用担当者はこの履歴書を見て応募者の現在の状況を知ります。面接の前に書類選考を行う企業も多く、履歴書とは応募者を知る初めの1歩と言えます。そうした重要な役割を担う履歴書には、一般的に以下のような項目があります。
- 証明写真
- 日付
- 氏名・生年月日
- 学歴
- 職歴
- 免許・資格
- 志望動機
- 自己PR
- 趣味・特技
- 本人希望欄
企業の採用担当者はこれらの情報をもとに応募者の状況を知ることができますが、履歴書のフォーマットによっては一部の項目が含まれていないことがあります。履歴書に含めるべき項目が明確に定められていないためです。
応募先の企業が履歴書のフォーマットを指定していないのであれば、応募者は履歴書のフォーマットを自分で作ることが可能です。ただし、自身で作成したオリジナルの履歴書には上記の項目が入っていないと「意図的に削除した可能性」があるとして、採用担当者が疑いを抱く場合があります。
採用担当者に不信感を抱かせないためにも、履歴書を書く際には「JIS規格の履歴書」(日本の工業製品に関わる規格を定めたもの)や、上記の項目が網羅された履歴書を選ぶようにしましょう。
また、使用する履歴書は自身の状況に合ったフォーマットを選ぶのがベストです。履歴書を書くタイミングは主に新卒・転職・アルバイト応募時なので、それぞれの状況を効果的に伝えるレイアウトが反映された履歴書を選択すると良いでしょう。
履歴書の書き方が分からないからといって不安になる必要はありません。履歴書は書き方のコツさえつかめば、誰でも簡単に作成できるのです。
証明写真
JIS規格の履歴書および一般的な履歴書の証明写真欄の大きさは「縦36~40mm、横24~30mm」となっているため、「縦40mm×横30mm」の写真を用意しましょう。写真には印象の変化が出にくい「3ヶ月以内のもの」を使用します。撮影時の服装として男性が「黒もしくは紺のスーツ」、女性が「白いブラウス・ワイシャツ」を選ぶことで、企業の採用担当者に爽やかな印象を与えることができます。
余裕のある人は「写真スタジオ」などで撮影しましょう。プロのカメラマンによる撮影クオリティーは高いですし、写真の修正を短時間で行ってくれます。店舗の混み具合にもよりますが10~60分で撮影から写真の受け取りまででき、費用は1,600円程度と手頃な値段です。
日付
日付欄には「提出日」もしくは「前日の日付」を記入するのが一般的です。面接日に履歴書を持って行く場合は「面接日」を記入するようにしましょう。日付に記入する西暦・年号は履歴書全体の表記と同じものにします。日付の表記を統一することで、履歴書を読む企業の採用担当者の混乱を防ぐことができます。
氏名・生年月日
氏名欄では名字と名前の間に「一文字分のスペース」を入れます。また、ふりがなは履歴書に記載の書き方に合わせるようにしましょう(「ふりがな」と表記があれば「りれきしょ たろう」となり、「フリガナ」とあれば「リレキショ タロウ」となります)。生年月日には日付入力欄に記載した日の状態を記入します(「満22歳」など)。
学歴
学歴は義務教育を修了した後の「高等学校」や「専門学校」などから記入していきます。日付欄で記載した西暦・年号と同じ表記を行い、学校名とコースを「正式名称」で記入しましょう。大学や専門学校で学んだ知識・経験を応募先の企業で活かせる場合には、専攻コースや研究テーマ(卒業論文のタイトルなど)を記入します。
職歴

日付欄と同じ西暦・年号を記載し、会社名は正式名称で記入します。会社名の横もしくは下の行に「業種」「従業員数」「職務内容の概要」を続けて書き、特筆すべき点がある場合は細かく記入しましょう。部署異動があった場合には「異動日」「異動部署名」を記入します。また、現職の退職日が決まっている場合には「退職予定日」と「会社名+退職予定」と記入しましょう。
職歴の最後の行には「現在に至る」と書き、その下の行の右端に「以上」と記入します。全ての職歴が書けなかった場合には「詳細を職務経歴書に記入」と表記することも可能です。
免許・資格
日付欄に記入した西暦・年号を用いて、免許・資格の正式名称を記入していきます。よく記入する免許・資格の正式名称は以下の通りです。
- 自動車免許:普通自動車第一種運転免許(AT限定)
- 英検:実用英語技能検定
- 漢検:日本漢字能力検定
- 宅建:宅地建物取引士
- 日商簿記:日商簿記検定試験○級、日本商工会議所簿記検定試験○級
- FP:○級ファイナンシャル・プランニング技能士
取得時と名称が変わっている免許・資格は「取得時の名称」を記入しましょう。また、免許・資格習得のために取り組みを進めている場合は、正式名称の後に「勉強中 8月取得予定」などと記載します。
ここで気をつけたいのは、応募先の企業に関係のない免許や資格を羅列してしまうことです。企業の採用担当者は自社と関係のない免許や資格ばかり記入されていると、応募者の志向に疑問を持つことがあります。
志望動機・自己PR

志望動機・自己PRでは過去の経験をもとにした具体的な動機を記入します。
企業の採用担当者は「なぜ競合他社ではなく自社に応募するのか」という部分に強い関心を持っています。また、自社の強みやオリジナリティを理解した上で「どのように自社に貢献できるのか」を知りたがっているのです。応募者としてはそうした企業側のニーズや社風をあらかじめホームページやサービスサイトでチェックしておきましょう。
たとえその企業独特の細かな制度や独自のサービスだったとしても、共感できるポイントや貢献できるフェーズを具体的に記入していくことが採用への第1歩となるのです。記入する際にはなるべく曖昧な表現は避け、自身の要望のみを押しつけることがないように注意しましょう。
以上の書き方のコツをふまえた文章をすぐに書くのは簡単ではありません。例文を参考にして書き方のイメージを持つことをおすすめします。ここでは転職時の志望動機について例文を2つご紹介します。
新卒で入社した現在のアパレル業界では、店舗にて販売・カスタマーサポート業務を行っています。店舗に来店するお客様が「どのような自分になりたいか」を常に意識しながら接客に当たり、1人ひとりに最適な提案ができるように務めています。
その結果、個人目標を入社2ヶ月目で達成し、7月には店舗目標をスタッフ全員で達成することができました。しかし、同時により多くの商品の魅力をお客様に伝える仕事がしたいと感じるようになり、営業スキルの向上が図れる環境への転職を決心しました。
貴社の販売店スタッフの豊富な商品知識と高い接客スキルを学び、一日でも早く店舗売り上げ拡大に貢献できる人材になりたいと考えております。
現職における成果を示しつつも、改善点や「こうしたい」という要望が上手く書けている例文です。実際に似たような志望動機を書く場合には、より具体的な事業・サービスの経験を志望動機に落とし込んで記入すると良いでしょう。
私は新卒で入社した会社で3年ほど新規事業部に勤め、現在はフードデリバリー部門の拠点責任者を半年ほど務めています。拠点管理を行う店長として、設備維持や従業員管理、提携店舗への挨拶まわりなど、多様な業務を経験していますが、その傍ら趣味のWebサイト運営を行っています。
数ヶ月前に趣味でWebサイト運営を始めたのですが、そこで参考にしたのが貴社のWebサイトでした。サイトデザイン、記事作成のポイント、サイト構造を参考にさせていただきました。初めてサイトに訪問するユーザーにもわかりやすい導線設計、デザインなど非常に勉強になりました。
また、WordPressの設置方法やサーバー管理の方法などは独学で学びました。最近ではWebサイトデザインに特に関心があり、IllustratorやPhotoshopを使ったデザイン制作を学ぶため、○○社の短期スクールにて基礎知識を身につけました。
この度、貴社でWebデザイナーを募集していると知り、ぜひWebデザインの制作現場でスキルを高めたいと感じた次第です。現状のスキルについては添付のポートフォリオをご覧いただけますと幸いです。何卒、よろしくお願いいたします。
転職先として人気の高いクリエイティブ職の志望動機です。全くの未経験ではなく、Webデザインに使用する各ソフトやコーディング知識を習得したアピールができています。
ただし、趣味のサイト運営をポートフォリオで提出したり、他のプログラミング言語の勉強をしたりするなどの意欲的な行動をとっていますが、「サイト制作のどの部分を担当したいのか」といった肝心なところが抜けています。志望動機を書く際には「応募先企業のリサーチ」を忘れないようにしましょう。
趣味・特技
趣味・特技の欄は、企業の採用担当者に人柄や適性をアピールできます。企業のカルチャーや取り組みなどを調べ、定期的に行っているアクティビティなどが分かれば趣味として記入するのも効果的です。面接時の会話の種になることもあるので、念頭に置いておきましょう。
本人希望欄
本人希望欄には「勤務時間の制限」などのやむを得ない事情がある場合のみ記入します。待遇については「貴社規定でお願いいたします」と書きましょう。
新卒、転職、アルバイトの場合の違い
履歴書の各項目の記入方法や注意点などを解説してきましたが、履歴書は作成するタイミングによっても注力するポイントが異なります。それぞれの状況に適した履歴書を作成できるように要点をおさえることが重要です。
以下の3つの状況についてそれぞれポイントを解説していきます。
- 新卒
- 転職
- アルバイト
新卒
新卒の履歴書作成では「ゼミナールの研究・得意な学科」や「学業以外の取り組み(部活・サークルなど)」といった自己紹介の項目が追加されるため、より多くの情報を企業の採用担当者に伝えることができます。志望動機や自己PRで「応募企業への関心度合い」や「貢献できる職種」について言及するため、自己紹介の項目では自身が取り組んだ事柄への視点や考え方を記入するようにしましょう。
転職
転職の履歴書作成時には、職歴や前職の経験についての記入に時間をかけるようにしましょう。なぜなら、企業の採用担当者は「職歴の背景にある仕事への向き合い方やスタイル」をチェックするからです。
職歴や志望動機を疎かにしてしまうと、企業の採用担当者は応募者についてのイメージがわかないため、人材の採用が難しくなります。企業の採用担当者に自身の人柄や働き方をよりイメージしてもらえるように、丁寧な職歴・志望動機の記入を心がけましょう。
アルバイト
アルバイトの履歴書では「学生が履歴書を書く場合」と「フリーターが履歴書を書く場合」の2つに大きく分かれます。
<学生がアルバイトの履歴書を作成する場合>
学生がアルバイトの履歴書を書く場合には、「過去の職種の経験」または「応募職種に対する熱意」を志望動機や自己PRに記入しましょう。
社会人経験のない学生は、応募職種と直接関係のある職種経験を持っていない場合がほとんどです。そのため、アルバイト応募先の採用担当者にやる気や熱意をアピールする必要があります。
<フリーターがアルバイトの履歴書を作成する場合>
フリーターがアルバイトの履歴書を書く場合には、職歴欄と志望動機の記入について重点的に考えるようにしましょう。
ポイントは、アルバイト応募先の採用担当者が「即戦力になるか」という視点で応募者を見ている点です。そのほか、学生アルバイトとは異なる視点として「長期で働いてくれるか」や「シフトに多く入れるか」といった採用基準があることも覚えておきましょう。
履歴書作成時の注意点

履歴書作成時にはいくつかの注意点があります。全ての履歴書作成に共通するポイントは以下の2つです。
- 黒のボールペンで記入する
- 書き間違えた場合は新しく書き直す
特に2番目の「書き間違えた場合は新しく書き直す」については、よく修正液や修正テープで済ませてしまう人がいます。履歴書の後半部分で間違えてしまった場合は面倒でつい簡単に済ませてしまいがちです。しかし、修正箇所を残したまま提出してしまうと、企業の採用担当者の中には「丁寧でない」という印象を抱く人もいるようです。時間をかけて作成した履歴書を無駄にしないためにも注意を払いましょう。
黒のボールペンで記入する
履歴書は「黒のボールペン」で記入します。鉛筆・シャープペンシル・消せるボールペンなどは使用NGです。必ず黒のボールペンで記入しましょう。
書き間違えた場合は新しく書き直す
履歴書の記入時に間違えた場合は、書き間違えた時点で新しい紙に書き直すようにしましょう。企業は履歴書を「公式文書」と考えているからです。
また、誤字や脱字、略字についても修正ではなく書き直す必要があります。たとえ書く内容がない項目でも空欄にせず「特になし」と記入しましょう。細かな部分ですが、企業の採用担当者は誠意のある対応ができるかどうかを応募時からチェックしていることを覚えておきましょう。
履歴書を郵送する場合の封筒の書き方
履歴書を郵送する場合は、封筒に履歴書を入れて送る必要があります。画像のように文章を書き、封筒の表側の左上に切手を貼って郵送します。社名は正式名称で記入し、特定の個人に送る場合には「様」、企業の部署宛に送る場合には「御中」を記入しましょう。
履歴書をメールで送る場合の注意点

履歴書をメールで送信する場合には「パスワードの設定」を忘れずに行いましょう。ビジネスにおける個人情報の管理は厳密なものです。自身の個人情報であったとしてもパスワードの設定を行うことで「セキュリティ管理に対する意識がある人」と企業の採用担当者は考えます。企業では毎日数多くの機密情報を扱うため、パスワードの設定を行うことは最低限のマナーと考えるのが良いでしょう。
また、履歴書を第三者が修正するのを防ぐため、作成した履歴書は「PDF形式」にしてメールに添付しましょう。
まとめ
履歴書は企業の採用担当者に応募者の情報を伝えると同時に、誠意を示すものでもあります。手書きでミスをしてしまった場合は、新しく書き直して準備をするようにしましょう。メールで送付をする際は後でミスに気がついて困らないように、添付のデータが間違っていないか、宛名が正しいか等をきっちりと確認するようにしてください。
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