要点をまとめて相手に伝える話し方
目次
できるだけ簡潔に、正確にわかりやすく物事を相手に伝える話し方も、重要なビジネススキルのひとつです。一生懸命話しているにもかかわらずうまく伝わらなかったり、妙に話が長くなってしまったりということはありませんか。
ここでは、相手に伝わりやすい話し方について解説をします。少し話の組み立て方などを変えるだけで、伝えたいことがしっかりと伝わる話し方に変えていけます。
相手に伝わる話し方のポイント

伝わりやすい話し方のポイントは、話の構成や長さ、言葉選びなどにあります。ただ話そうとするのではなく、相手に伝えようとする意識も大切です。職場に、なぜか話す内容が心地よくスッと入ってくる人や、プレゼンがとても上手な人はいませんか。そういった人の話し方を研究することも有効です。
ここからは、相手にきちんと伝わる話し方ができるようになるために必要な、いくつかのポイントをご紹介します。
伝えたいことを整理する
相手に情報を伝える必要があるとき、その情報の内容を自分自身で完全に理解できているでしょうか。まずは、情報を噛み砕いて自分のものにするところから始めましょう。
話が長くなったり、要点が伝わらなかったりする理由のひとつに、自分自身の情報に対する理解度の低さが挙げられます。この状態では要点を見出すなど情報の整理もできていません。相手に何かを伝えるのであれば、まずは整理できるところまで情報の中身をよく知ることが大切です。そのうえで、どうしても伝えるべき大事な部分を抜き出しましょう。
聞かれたことを答える
相手から質問された場合は、その質問への回答のみを簡潔に話すよう心掛けましょう。「なぜ納期が遅れたのですか」には「それは●●という理由からです」という形です。回答より先に「みんな忙しくて寝ていなくて、それに上司が…」といった言い訳や自分の思いを話すと、話が長くなりすぎて結局理由が何なのかがわからなくなります。
言い訳を述べるのは、まず回答を話した後です。いろいろ言いたい気持ちをぐっと抑え、質問に対する回答のみを簡潔に答えるようにしましょう。
結論から伝える
話の一言目には、まず結論を話しましょう。その後、結論に至った理由などを付け加えます。これは、就活の面接や自己PR文などでも有効な文章の構成であるとされています。最初にいちばん強く訴えたいことを伝えて印象付ける手法です。
例えば「訪問先のクライアントの反応はどうでしたか?」と聞かれた際「実は先方は、私たちが提案した商品をちょうど探していたらしく、先ほど訪問したときは…」と話し始めるより、「とても良い反応を得られました。その理由は…」とまず結論から話したほうがわかりやすいです。話す順番を変えるだけで、要点は格段に伝わりやすくなります。
5W1Hを明確にする

5W1Hとは「いつ(When)」「どこで(Where)」「誰が、誰に(Who)」「何を(What)」「なぜ(Why)」「どのように、どのくらい(How)」のことを言います。英語の文章構成の基礎でもありますので、授業で聞いたことがあるのではないでしょうか。日本語でも話を組み立てるときに、5W1Hの要素を順番で伝えるようにすれば、必要なことが伝わりやすくなります。
例えば「●日の●時に(When)第2会議室で(Where)●●さんがチームメンバー全員に(Who)●●プロジェクトの説明を行います(What)。このプロジェクトが来週から始動するためです(Why)。2時間の予定です(How)」というふうに組み立てます。
情報を盛り込みすぎない
話が伝わりづらい人の特徴として、あれもこれも伝えなくては!と、必要そうなことをすべて話そうとする傾向があります。とにかく言葉に出して伝えないと不安になってしまうからです。しかし、不安だからといってすべてを言葉に出したとしても、受け取る側の処理能力を超えてしまいます。一度は言葉に出したのだからもう大丈夫、というわけにはいきません。
何かを伝える際、情報を盛り込みすぎると伝えたいことがわからなくなります。結局何が言いたかったのだろう、となってしまいます。話は簡潔に重要な情報に絞り込み、付加情報はプロジェクトが進む中で折を見て少しずつ伝えれば良いでしょう。
一文は短くする
一文は、できるだけ短くしましょう。同じ内容だとしても、長い一文で伝えるものといくつかの文章に区切って伝えるものでは、わかりやすさが異なります。
【区切らない文章】
「今日の会議は15時からですが、そのときに決めるべきことは昨日送った資料の通りで、決まった内容をクライアントと上司への連絡も必要です」
【区切った文章】
「今日の会議は15時からです。会議で決めるべきことは、昨日の資料にまとめてあります。決定内容は、クライアントと上司に連絡する必要があります」
上記の通り、まったく同じ内容を伝えているにもかかわらず、文章を区切ったほうが遥かに伝わりやすい印象です。実際に声に出すときにも、文章が区切れるところで少し間を置くことでいっそうわかりやすくなります。
立場別の話し方

わかりやすい話し方のコツを掴めば、今度は話を聞いてくれる相手の立場ごとに少しだけ意識を変えてみましょう。自分が緊張する相手の場合や、相手が自分に対して緊張している場合など、少しだけ意識を変えることにより伝わりやすい話し方にできます。また、話す状況でも伝え方は変わってくるでしょう。
話し相手や話す状況ごとに、どのようなことを意識して話せば伝わりやすい配慮ができるのかを下記で解説していきます。
上司・先輩に対して
相手が上司や先輩の場合、緊張を感じているのは話者の自分自身であることが多いでしょう。また、話の内容も「報告」である可能性が高いと思われます。相手も多忙で時間が取りづらいでしょうから、簡潔に報告をまとめる必要があります。先述したコツの中から情報を整理し、必要事項のみを結論先行で伝えるようにしましょう。下記は例文です。
「先ほどの会議で、本件のイラストレーターはAさんに決まりました。理由は3つです。1つ目は、作風が合っていること。2つ目は作業が早く、今回のタイトなスケジュールに向いていること。3つ目は、本チームとの充分な実績です。ご許可いただければさっそく依頼します」
部下・後輩に対して
部下や後輩は、自分に対して緊張している可能性があります。こちらが上司の立場である場合、話の内容は「指示」「指導」であることが考えられますので、わかりやすい話の組み立て方とともに、相手の緊張をほぐす「話し方」が大切になってきます。
「何をやっているの!」ではなく「キャパオーバーなら正直に言ってね」、「何でできないの?」ではなく「ここを改善したらいいよ」、「責任を持ってやってよね」ではなく「一緒に成功させよう」のように、やわらかい表現を心掛けてください。
同僚に対して
同僚に対しては、さほどかしこまる必要はありません。むしろ、わかりやすい話し方をするために練習の相手になってもらうことも良いでしょう。
ただし、一緒に仕事をしている以上、重要事項の報告など、大切なことを確実に伝えなければならない場面も必ずあります。そのようなときは先述のコツを使って、伝わりやすい文章を組み立てます。大切な話のときは感情を出さず、雑談と混同しないようメリハリをつけて話すといいでしょう。
まとめ

話し方ひとつで、情報の伝わり方が変わります。そして伝わり方が変われば、あなたへの印象も変わるでしょう。わかりやすく、伝わりやすい話し方をする人は信頼を得ます。お伝えしたすべてのコツをいきなり全部実践することは難しいですが、ひと項目ずつ取り入れて、職場で頼られる話上手になってください。
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