転職したけどすぐに辞めたいとき｜妊娠や介護のケースも

転職したのはいいものの、いざ入社してみたら合わず、早々に「退職」の2文字が頭に浮かんだという人は多いのではないでしょうか。退職を希望する理由は人によって様々です。また「転職したばかりなのに仕事をすぐに辞めることなんてできるのか」などの不安もあるでしょう。就職したのに短期間で離職することは、次の転職活動で不利になることもあります。辞める意思を伝える前に、短期離職に伴う注意事項も頭に入れておきましょう。

転職したけどすぐに辞めたい…その理由は？

転職したけどすぐに退職したいと思う人は少なくありません。仕事内容や、職場の雰囲気、人間関係などは、人によって合う・合わないがあるので当然のこととも言えます。どのような理由があって転職直後に辞めたいと感じるのでしょうか？主な理由は下記の通りです。

思っていた仕事と違う

自分の希望する仕事内容と思って就職先を選んだとしても、いざ仕事についてみると思っていた仕事と違うといった不一致が原因になることがあります。

ガツガツ仕事に取り組んでいくつもりで入ったのに、誰でもできそうな簡単な作業をあてがわれると、「期待されていないのかもしれない」と不安に感じる人もいます。また面接の時に事前に聞いていた所属部署とは全く違う部署に配属されてしまったケースも見られます。自分自身のやりたいことが明確になっている人ほど、この不一致を感じやすく、仕事を辞めたいと感じるきっかけになりやすいです。

人間関係や職場の雰囲気が合わない

転職先の人間関係や雰囲気にうまく馴染むことができず、職場に行くのが苦痛と感じる人もいます。例えば、自分は文化系なのに、職場の雰囲気が縦社会の体育会系だった、など。また社風が合わないと感じる人もいます。人によって自分自身のおかれている背景や状況によって違いますが、コミュニケーションに苦手意識を持っている人、人見知りで周りの人たちと仲良くなるまで時間がかかる人は、深く悩んでしまう状況が多く見られます。

仕事量が多く残業も多い

就職したのはいいものの、想像以上に仕事量が多く、疲労やストレスを感じて辞めたいと思う人もいます。仕事量が多いことは、それだけ周囲から期待をもたれているという考え方もできます。

しかし、一人当たりの仕事量が多く、残業が当たり前となっているような会社はブラック企業である可能性も否めません。このような過酷な労働環境が慢性的になっている職場は、入社したばかりの新人に残業を強要することもあります。プライベートの時間もしっかり確保したい考えを持っている方にとっては、「辞めたい」と感じる大きな原因になります。

妊娠・介護などで仕事を辞めたい

妊娠や介護の精神的・身体的な負担があるため、仕事を辞めたいと感じる人もいます。妊娠・出産は女性にとって多いライフイベントの一つです。つわり・眠気・腰痛などの症状が出ることもあるため、妊娠前のように働くことが徐々に難しくなってきます。また、家族の中に介護が必要な方がいて介護者として面倒をみている場合、身体的・精神的な介護疲れが原因となり、介護前の状態で仕事をすることが難しいケースも多く見られます。

転職してすぐでも会社を辞めることができる

転職してすぐに会社を辞めることは無責任ではないか、と不安を感じるかもしれません。しかし、日本では労働基準法により、「辞職の14日前までに退職の意思を伝えれば、仕事を辞めることができる」と定められています。日本国憲法において、私たちには職業を選択する自由が与えられているため、自分が違うと思うのであれば退職できる権利があります。しかし、退職の意思を伝える前に就業規則を確認しておく必要があります。

まずは就業規則を確認する

会社に雇われている従業員は、就業規則に従うのが基本です。退職したいと思ったら、まずは会社で決められている就業規則を確認しましょう。

労働基準法により「辞職の14日前までに退職の意思を伝えれば、仕事を辞めることができる」と定められていますが、業務の引継ぎや、次の人員確保のための期間などを加味して、会社ごとに退職の通知期間を14日より前に設定している企業も少なくありません。退職の意思が固まった時点で、退職までの通知期間や、退職までの手続きなどを確認しましょう。

会社から拒否された場合でも辞めることはできる

退職の意思を伝えた、または退職届を渡したが会社に拒否されてしまったという場合でも、退職することは可能です。「せっかく採用したのに。これまでかかった研修費などを払ってもらう」など損害賠償請求をするなど脅しをしかけてくるようなケースも少なからずあるようですが、法律上このような行為は認められないので安心してください。

もし、退職の意思が受理されず退職手続きをとってくれない場合は、労働基準監督署に相談しましょう。労働基準監督署に相談する場合は、退職届を内容証明郵便で送り、メールや書類などのやりとりは全て残しておくことがポイントとなります。

転職してすぐに会社を辞めるリスク

転職後すぐに退職することで伴うリスクやデメリットがあります。

主なリスクは以下の3つです。

• 短期離職者になる    
• 在籍した履歴が雇用保険に残る
• 辞め癖がついてしまう可能性がある

履歴書などの書類上では、短期間で退職した原因の詳細を理解してもらうことはほぼ不可能です。次の新たな職場を見つける際の足かせとなる可能性があることも頭に入れておく必要があります。

短期離職者になってしまう

転職してから1ヵ月以内で会社を辞めた履歴があると、新たな就職活動をした時の面接担当者からは「辛抱強さや忍耐力がないのか」「社会人としての知識がないのか」「採用してもすぐに辞めるのではないか」と思われる可能性があります。また、中長期的に見た時にも、職を転々としている人、といったネガティブな印象を抱かれる可能性もあります。特に超短期離職者は再就職で不利になりやすく、今後のキャリアにも影響が出てくる可能性があるため、退職前にはしっかりとリスクを理解しておきましょう。

会社に在籍した履歴は雇用保険に残る

雇用保険に加入すると、短期間であっても会社に在籍した記録が残ってしまいます。履歴書には短期離職の過去を書かなければ大丈夫だと思っても、雇用保険資格者証には会社の名前が記載されています。

職歴を隠したまま採用され、後々事実が判明したというケースもあります。「虚偽の職歴を書いて入社してきたのか」と、信頼に関わる大きな問題に繋がる可能性もあります。このように、会社に在籍した履歴を隠したとしても雇用保険の履歴から判明することがあるため、短期離職者になった場合でも、転職の際は包み隠さず申告する必要があります。

辞め癖がついてしまう

社会人の経験が浅い人の場合は、仕事をすぐに辞めることで「辞め癖がついてしまう」ケースも見られます。我慢しすぎるのは精神的にも身体的にも良いことと言えません。しかし、「嫌ならすぐに辞めたらいいんだ」という経験を一度体験してしまうと、新たな仕事についたときに、少しでも気にそぐわないことが起こると、またすぐに辞めてしまいたくなります。一度辞め癖ついてしまうと、抜け出すのが大変になるだけでなく、短期離職を重ねることで転職も不利になってきます。

まとめ

転職したものの思っていた仕事と違うなど、辞めたい理由は人によって様々です。我慢できないほどのストレスを感じるのはよくありません。しかし、短期離職は次の就職に不利になったり、辞め癖がつく可能性があるなど、不利なこともあります。短期離職を考えている方は、行動に移す前にこれらのデメリットを踏まえた上で、もう一度よく考えてみることをおすすめします。