データスペシャリスト試験の難易度や役立つシーンを紹介
目次
ITは今では業種関係なく、広い分野でニーズがあります。もし転職を検討しているのであれば、IT関連の資格を取得するのも一考です。
今回紹介するデータスペシャリスト試験は文字通り、データベースに関する専門知識を持っていることの証明になる資格です。試験概要やどのような場面で役立つかについて紹介していきます。
データスペシャリスト試験とは
データスペシャリスト試験とは情報処理推進機構というところが主催している情報処理技術者試験の一種です。こちらは国家資格の一つで、情報処理の促進に関する法律に基づき運営されています。
情報処理技術者試験の中でもレベル4と呼ばれる試験があります。レベル4には高度区分試験として8種類のテストが設けられています。その中の一つがデータスペシャリスト試験です。
データベースをシステム開発で利用しているエンジニアが受験しています。若いエンジニアでデータベースに関する高いスキルを持っている人が多く受験する傾向が見られます。
データスペシャリスト試験の受験資格と試験内容・難易度
データスペシャリスト試験の概要について、ここでは詳しく見ていきます。
試験によっては受験資格が設定されている場合がありますが、必要な受験資格があるのか、また、受験する際の試験内容や、試験の難易度はどのくらいかについても紹介します。試験の難易度はかなり高いので、心して試験対策を進めたほうがいいでしょう。
データスペシャリスト試験の受験資格
データスペシャリスト試験に受験資格は基本的にはありません。
受験者層を見てみると、ほとんどがプログラマーもしくはシステムエンジニアによって占められる試験といえます。データベースを業務で取り扱っている、これから活用しようと思っているIT関連の人材が受験する傾向が見られます。
一方データベース技術支援を行っている人など、この道のプロの受験者は少数派であるため、そういった方々にとってはそれほど難しい試験とは言えない場合もあります。
データスペシャリスト試験の試験内容
データスペシャリスト試験は4つの試験によって構成されています。午前と午後、それぞれ2種類ずつ受験する形です。午前中は50分と40分の試験で、いずれも四肢択一方式の試験です。一方午後は90分と120分の試験を受けます。いずれも記述式の問題が出題されます。
午前中の試験はテクノロジー系とマネジメント系ストラテジー系の3つの分野から出題されます。どれが重点的というのではなく、バランスよく出題される傾向が見受けられます。データベースに関する専門知識だけでなく、経営戦略や企業と法務のような広範囲にわたって出題されます。全体的に勉強をすることが大事です。
午後の試験は記述式です。データベースシステムの企画や開発、運用・保守に関する問題や技術的なことを問う問題も出題されます。データベースの物理設計もしくは概念データモデリングの問題が例年出題される公算代といわれています。
データスペシャリスト試験の難易度
試験の難易度は非常に高いです。これは過去の合格率が如実に物語っています。近年の合格率を見てみると、14.4％です。その他の合格率を見てみても、10％台で推移しています。
情報処理技術者試験の中でもレベル4は最高難度の試験に該当します。国家試験には様々なものがありますが、その中でもかなりの狭き門だと思ったほうがいいです。
試験の受験者を見てみても、すでにエンジニアとして活躍している人たちが中心です。中堅程度のエンジニアが受験することも珍しくありません。つまり、すでに専門的な知識や技術を持っている人が受験して、この合格率です。十分に試験対策をした上で受験しなければ、なかなか合格するのは難しいでしょう。
特に必要とされるのが、長文読解力です。長文の問題が多いので、何を聞かれているのか正確に理解できるように過去問を解くのが有効な対策です。
データスペシャリスト試験が役立つ仕事
データスペシャリスト試験は非常に難易度の高い試験です。しかし合格すれば、転職するにあたって大きな武器になります。IT関連の資格ですが、具体的にどのような分野で活躍できるのか、以下で詳しく見ていきます。
主に今後システムエンジニアもしくはインフラエンジニアとしてキャリアアップしたいと思っている人は、取得を目指すのをおすすめします。それぞれどのような仕事かについて、これから解説していきます。
システムエンジニア
システムエンジニアは、クライアントからの要望に合う仕様のシステムを開発する仕事です。要望のヒアリングから始まり、システムの大まかな設計、納期までの進行管理を行ないます。データスペシャリストの資格を持っていれば、上級システムエンジニアのスキルを持っていることの客観的な証明になります。システムエンジニアとして本腰を入れて仕事をしたいと考えているのなら、取得すべき資格と言えます。
こちらの試験は情報処理技術者試験の中でも最難関のレベル4に設定されています。専門家が多く受験しても、1割程度の合格率と狭き門です。そのためこの資格を持っているだけでも、採用する側からかなりの高評価を得られる可能性があります。思っている職場に転職しやすくなりますし、待遇面も優遇される可能性も高いでしょう。
企業や組織にとって、データは一種の財産です。その財産を効率よく運用でき、安全に取り扱える即戦力のある人材だと評価されるでしょう。
インフラエンジニア
インフラエンジニアとして活躍するためには、幅広い能力が求められます。ネットワークの構築やサーバー環境の開発からITリテラシーも問われ、データを正常に受け渡しするための知識が必要となります。
ネットワークやサーバーの設計、運営において、データベースに関する技術は重要であり、将来インフラエンジニアとして活躍したいと思っているのであれば、データスペシャリストの資格を取得すると転職に有利に働く可能性が高いです。
データスペシャリスト試験はデータベースに関する事柄からマネジメントに至るまで、総合力が問われる試験です。インフラエンジニアとして求められる総合的な能力を持っていることの証明になるでしょう。
データスペシャリスト試験まとめ一覧表
最後のデータスペシャリスト試験に関する基本的な情報について、表にまとめました。今後受験しようと思っている人は、以下の項目を参考にしてみてください。
| 資格種別 | 国家資格 |
| 受験資格 | 特に条件なし |
| 試験日程 | 4月第3日曜日 |
| 試験方法 | 多肢選択式並びに記述式 |
| 受験料 | 5,700円 |
| 試験場所 | 日本全国50カ所にて開催 |
| 申し込み方法 | インターネット申し込み |
データスペシャリスト試験は身体障害などの理由で特別措置が受けられる場合があります。情報処理推進機構という独立法人が主催者なので、特別措置以外にも気になることがあれば情報処理技術者試験センターに問い合わせましょう。
まとめ
データスペシャリストに関する需要は今後ますます高まってくるとみられています。
このため、機械学習のために必要なビッグデータを取り扱えるような専門家の存在が必要不可欠です。この資格を持っていると、その道のスペシャリストであることの証明につながります。合格率は低く難易度は高いですが、資格取得を目指してみませんか？
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