認知症介助士の資格の難易度は?取得方法やメリットを解説
目次
超高齢化社会の日本では、今後認知症患者が増えると予想されています。
いざ自分の家族が認知症になった場合、どのように接してよいか分からない人は多いのではないでしょうか。ただ、「認知症介助士」という資格を通して、認知症の知識を深める人が増えています。
ここでは認知症介助士の資格を取るメリットや取得方法、難易度について解説します。
認知症介助士とは

認知症介助士という資格は、2014年4月にスタートした比較的新しい資格です。認知症に関する知識を深めることで、認知症を正しく理解し、さまざまな事例から認知症の方への適切な対応方法を知ることができます。
認知症の大きな原因は加齢であることから、だれにでも起こりうることです。認知症への知識を深めておくことで、ご自身やご家族の認知症予防や、発症時の対応などに役立ちます。
帰る道が分からなくなった人、理屈に沿わないことを言う人、お会計前のものを食べてしまう人など、認知症の方に街中で遭遇する可能性もあるでしょう。もしそのような場面に出会ったら、どのように対応しますか?
認知症介助士の正しい知識があれば、困っている人に適切な対応ができるはずです。資格取得を通して活かせる知識を身につけることで、家族だけではなく、共通のコミュニティなどで認知症の方を支える人々が、より満足に対応できる下地を作ることができるでしょう。
認知症介助士の目的
平成29年度「高齢者白書」によると、2012年は認知症患者数が約460万人で、高齢者のうち15%でしたが、2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると予測されています。
超高齢化社会に突入した日本で、今後ますます増加するといわれている「認知症」に対する知識を理解し、認知症患者本人や、患者さんを支えるご家族の方が孤立することがないよう、地域単位での深い理解が必要となります。こうした社会をつくるためにも、認知症介助士の資格試験は役立っています。
「認知症介助士」検定では、
- 認知症に関する正しい知識を持っている
- おもてなしの心を持っている
- ひとりひとりを受け入れ、寄り添える存在である
ことを証明できます。
試験日・実施会場
認知症介助士の資格試験には4通りの受験方法があり、受験方法によって会場や試験日は異なります。
- 認知症介助セミナー(認知症介助士講座+検定試験セット)を受講:東京・大阪・名古屋・福岡で開催
- 共育センター(東京・大阪)で検定試験を受験:東京年3回/大阪年9回
- 全国のCBTセンターで検定試験を受験:随時
- IBT方式(インターネット経由)で検定試験を受験(自宅可):いつでも可
受験方法にはさまざまな方法があり、認知症介助士の講座を受け、試験に出やすいポイントや的確な指導を受けたい人は1番を、独学で勉強をする人は2~4番の受験方法がオススメです。
また共育センターでの試験はマークシート式、CBTセンターやIBT方式はパソコンを使った試験となっています。
セミナーを受ける場合の受験料は 19,800円ですが、テキストをすでに持っている場合は16,500円で受講できます。またセミナーなしでテストのみを受ける場合は、どの方法でも3,300円です。
受験者数
認知症介助士の資格は2014年に始まり、2020年で6年を迎えます。受験者数の推移を示す資料はありませんが、2017年11月時点で、10,532名の合格者を輩出しているようです。創設から2年半で10,000名を超えたということで、知名度が少しずつ伸びているのではないでしょうか。
実際に認知症介助士の資格試験を受ける人は、身のまわりに認知症患者がいたり、認知症患者をサポートしている人が多いようです。
試験の難易度
認知症介助士の試験の合格率は、9割以上といわれており、決して難易度の高い資格ではありません。試験範囲も狭く、初心者にやさしい入門系の資格です。同じ福祉系資格と比較しても、易しいレベルといえるでしょう。
試験の設問は30問の選択式で、試験時間は40分間です。1問1点とし30点満点のうち、21点が合格ラインです。認知症に関する基礎知識がメインなので、テキストをしっかり読んでいけば、合格できるでしょう。
試験内容

認知症介助士の試験内容は以下のとおりです。
- 認知症介助士の基本理念
- 高齢社会の理解
- 認知症の基礎知識
- 認知症の人への介助
- 認知症の予防
- 体験談・事例集
- 関連法規および制度
試験は設問が30問と多くありません。そのため、テキストをまんべんなく網羅することで、合格への道は近づくでしょう。
資格が役立つ場面
認知症介助士は、介護職に就いている方だけに向けた資格ではありません。介護知識がまったくないという人でも、認知症を学び、資格取得を目指せます。そのため、知識や対応力のスキルアップだけでなく自身や家族の認知症の予防についても学べる点は大きな魅力です。
認知症にもさまざまな種類があり症状も異なるため、これらの理解を深めておくことは、認知症患者とかかわる機会のある飲食業やサービス業の方、介護職など認知症の方をサポートする仕事に就こうと思っている方にとっても有益な資格でしょう。
おすすめ勉強方法

認知症介助士の資格をとるための勉強方法は、主に3つあります。
- 公式テキストと問題集を購入し独学で勉強する
- セミナーに参加する(認知症介助士講座を受講する)
- 認知症介助士の通信講座を受講する
認知症介助士専門の通信講座やスクールに通う方法もあります。的確な指導は受けられますが、時間とコストがかかる点がデメリットといえるでしょう。
認知症介助士のセミナーを受けることで、合格率をあげることができます。同日程で検定試験を受けることができるので、時間を有効に活用したい人にオススメの方法です。
独学で勉強する場合は、公式テキストと問題集を活用するようにしましょう。独学で試験対策をするメリットは、コストを抑えられることでしょう。
テキスト
認知症介助士の検定試験には、公式のテキストがあり、公益財団法人「日本ケアフィット共育機構」の公式HPから購入できます。
認知介助士の公式テキスト 認知症介助士公認テキスト:3,300円 |
このテキストには、認知症の症状に関する正しい知識や、具体例と的確なアドバイス、実際に認知症の人を支える家族の豊富な体験談などが掲載されています。まずはテキストをしっかり読みこみ、認知症に対する概要を理解しましょう。
過去問・問題集
テキストをしっかり読み、知識が深まったら、実際に問題集に挑戦するのがおすすめです。過去問や問題集を解くことで、出題パターンも把握できるので、実践的な練習になります。
間違えた部分は復習し、間違いがなくなるまで何度も繰り返しましょう。苦手な分野を克服していくうちに、知識も身についていきます。正解数が合格ラインに達するまで、何度もトライすると効果的でしょう。
公式の問題集は、公式HPから購入できます。
認知症介助士の公式問題集 認知症介助士 検定試験対策問題集:2,200円 |
まとめ

高齢化が進む日本では、認知症介助士の需要はこれから大きくなると考えられます。日本だけでなく、世界単位でみても認知症になる人は増加しており、3秒に1人のペースで新しい認知症患者が増えているともいわれています。認知症は今後、さらに身近なものになっていくでしょう。
認知症への理解が乏しいがゆえに、対応に困惑し、対処に追われているご家族のニュースを見かけることも増えています。もしもの時の備え、または自分やまわりの方の予防のために、資格を取得することで認知症についての知識を深めてみるのはいかがでしょうか?
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