漢字検定の難易度や役立つシーンを紹介
目次
転職活動などのための資格として漢字検定の受検を考えている人もいるでしょう。漢字や日本語にまつわる様々な知識を習得できる「漢検」は、近年幅広い世代に人気の資格として知られています。多くの人が知っている資格は、面接での自己アピールにとても効果的です。日本語への深い理解と正しい知識があることを証明することができる「漢検」について詳しく紹介していきましょう。
漢字検定とは

漢字検定は漢検(日本漢字能力検定)として広く知られています。財団法人日本漢字能力検定協会が主催している漢字能力を測定する技能検定のことです。漢字の読み書きはもちろん、漢字の意味を理解した上で適切に文章の中で使えるかどうかの能力を測ることができます。近年では、漢検を評価指数として活用している高校や大学、企業も増えていることから、小・中学生だけではなく幅広い年代でチャレンジする人も増えているようです。
「言語力」としてはもちろんのこと、「目標に向かって学ぶ意欲」を測る指標としても活用されている漢検は、就職や転職をする際の自己アピールとしても活用されています。
漢字検定の目的
漢検で学ぶ「漢字」は、日本語を読み書きする上でとても大切なものです。学んだことがすぐに生かされることも多く、生涯を通して楽しく学べることから最年少は3歳、最高齢では102歳と幅広い年齢層の方がチャレンジしています。現代においてはスマホやパソコンなどでコミュニケーションを取ることが増え、漢字は読めるけれど書けないという人も多くなってきました。いざというときにスムーズに手書きで文章を書けることは、社会人として大きな信頼につながります。
試験日・実施会場
漢検の個人受検は、年3回、6月・10月・2月に行われています。
受験会場は全国47都道府県の主要都市約180か所に設けられており、検定日の約1週間前に届く「受験票」に記載されます。申し込み時に「受検地区」を指定することはできますが、「受検会場」の指定はできませんのでご注意ください。また住所が考慮されるわけではないので、自宅から遠い会場になることもあります。
受検級は1級から10級までの12級あり、検定料や検定時間は級ごとに違いがあるので確認の上、申し込みするようにしましょう。
- 検定料(税込)
受検級 | 検定料 |
1級 | 5,000円 |
準1級 | 4,500円 |
2級 | 3,500円 |
準2~4級 | 各2,500円 |
5~7級 | 各2,000円 |
8~10級 | 各1,500円 |
- 検定時間
受検級 | 実施時間 |
2級 | 10:00~11:00 |
準2級 | 11:50~12:50 |
8級~10級 | 11:50~12:30 |
1級、3級、5級、7級 | 13:40~14:40 |
準1級、4級、6級 | 15:30~16:30 |
「漢検」には他にも2つ受験方法があります。
- 団体受検
学校や塾・企業などの団体で志願者を10名以上集めて、まとめて申し込みを行う方法です。受検場所によって「準会場受検」と「団体公開会場受検」の2つに分かれます。
- 漢検CBT(Computer Based Testing)受検
漢検CBT会場でコンピューターを使って漢検(2~7級)を受検するシステムです。合格すると、ペーパーでの検定と同じ資格を得ることができます。年3回の検定日に限定されずに、都合のよい日程を選んで受検することができます。
受験者数
毎年200万人前後の人が受検しています。受検資格に制限がないので、幅広い年代の多くの人が受けています。将来のことを考えて受検する中高生や、合格する喜びを実感してやる気になった小学生はもちろん、社会人になってからも漢検を通じて自分磨きができることから高い人気を誇っているのです。
年度 | 志願者数 | 合格者数 |
平成12年度(2000年度) | 1,576,959人 | 686,388人 |
平成13年度(2001年度) | 1,797,608人 | 859,902人 |
平成14年度(2002年度) | 2,044,170人 | 1,067,356人 |
平成15年度(2003年度) | 2,195,595人 | 1,203,597人 |
平成16年度(2004年度) | 2,240,344人 | 1,133,875人 |
平成17年度(2005年度) | 2,407,075人 | 1,227,430人 |
平成18年度(2006年度) | 2,640,812人 | 1,359,368人 |
平成19年度(2007年度) | 2,716,711人 | 1,403,605人 |
平成20年度(2008年度) | 2,893,071人 | 1,513,969人 |
平成21年度(2009年度) | 2,123,191人 | 1,039,540人 |
平成22年度(2010年度) | 2,320,722人 | 1,193,045人 |
平成23年度(2011年度) | 2,290,400人 | 1,167,867人 |
平成24年度(2012年度) | 2,261,539人 | 1,130,852人 |
平成25年度(2013年度) | 2,219,990人 | 1,133,343人 |
平成26年度(2014年度) | 2,153,282人 | 1,121,758人 |
平成27年度(2015年度) | 2,103,271人 | 1,095,750人 |
平成28年度(2016年度) | 2,041,649人 | 1,062,304人 |
平成29年度(2017年度) | 2,083,309人 | 1,117,659人 |
平成30年度(2018年度) | 1,984,690人 | 1,052,156人 |
令和元年度(2019年度) | 1,903,182人 | 1,043,553人 |
2020年4月13日現在
引用:年間志願者数および合格者数の推移 | 調査・データ | 日本漢字能力検定
試験の難易度

漢検は1級から10級の12級に分かれていて、各級ごとで対象レベルや漢字数、合格基準が違います。一番下が10級で小学1年生程度、一番上が1級で大学・一般程度となっており、合格率は級が上がるにつれて下がる傾向があるようです。何級からでも履歴書に書くことはできますが、自己アピールとしては2級からが良いと言われています。
級 | レベル対象 | 漢字数 | 合格基準 | 合格率 (2019年第3回) |
1級 | 大学・一般程度 ※公開会場でのみ実施 | 約6000字 | 150点満点80%程度 | 5.9% |
準1級 | 大学・一般程度 ※公開会場でのみ実施 | 約3000字 | 150点満点80%程度 | 17.4% |
2級 | 高校卒業・大学・一般程度 ※常用漢字がすべて 読み書き活用できるレベル | 2136字 | 150点満点80%程度 | 24.0% |
準2級 | 高校在学程度 | 1951字 | 200点満点70%程度 | 36.8% |
3級 | 中学校卒業程度 | 1623字 | 200点満点70%程度 | 45.0% |
4級 | 中学校在学程度 | 1339字 | 200点満点70%程度 | 52.2% |
5級 | 小学校6年生修了程度 | 1026字 | 200点満点70%程度 | 77.0% |
6級 | 小学校5年生修了程度 | 835字 | 200点満点70%程度 | 81.3% |
7級 | 小学校4年生修了程度 | 642字 | 200点満点70%程度 | 87.0% |
8級 | 小学校3年生修了程度 | 440字 | 200点満点80%程度 | 85.2% |
9級 | 小学校2年生修了程度 | 240字 | 200点満点80%程度 | 91.4% |
10級 | 小学校1年生修了程度 | 80字 | 200点満点80%程度 | 95.1% |
試験内容
試験内容も以下の表の通り、級ごとで違いがあります。主な出題範囲を見て分かるように、書き取り以外にも漢字そのものの意味を理解しないと解けない出題がいくつもあります。
級 | レベル対象 | 主な出題範囲 |
1級 | 大学・一般程度 ※公開会場でのみ実施 | 漢字の読み 漢字の書取 故事・諺 対義語類義語同音・同訓異字 誤字訂正 四字熟語 |
準1級 | 大学・一般程度 ※公開会場でのみ実施 | 漢字の読み 漢字の書取 故事・諺 対義語類義語 同音・同訓異字 誤字訂正 四字熟語 |
2級 | 高校卒業・大学・一般程度 ※常用漢字がすべて 読み書き活用できるレベル | 漢字の読み 漢字の書取 部首・部首名 送り仮名 対義語類義語 同音・同訓異字 誤字訂正 四字熟語 熟語の構成 |
準2級 | 高校在学程度 | 漢字の読み 漢字の書取 部首・部首名 送り仮名 対義語類義語 同音・同訓異字 誤字訂正 四字熟語 熟語の構成 |
3級 | 中学校卒業程度 | 漢字の読み 漢字の書取 部首・部首名 送り仮名 対義語類義語 同音・同訓異字 誤字訂正 四字熟語 熟語の構成 |
4級 | 中学校在学程度 | 漢字の読み 漢字の書取 部首・部首名 送り仮名 対義語類義語 同音・同訓異字 誤字訂正 四字熟語 熟語の構成 |
5級 | 小学校6年生修了程度 | 漢字の読み 漢字の書取 部首・部首名 筆順・画数送り仮名対義語類義語 同音・同訓異字 誤字訂正 四字熟語 熟語の構成 |
6級 | 小学校5年生修了程度 | 漢字の読み 漢字の書取 部首・部首名 筆順・画数 送り仮名 対義語類義語 同音・同訓異字 三字熟語 熟語の構成 |
7級 | 小学校4年生修了程度 | 漢字の読み 漢字の書取 部首・部首名 筆順 画数送り 仮名対義語 同音異字 三字熟語 |
8級 | 小学校3年生修了程度 | 漢字の読み 漢字の書取 部首・部首名 筆順画数送り仮名 対義語 同じ漢字の読み |
9級 | 小学校2年生修了程度 | 漢字の読み 漢字の書取 筆順・画数 |
10級 | 小学校1年生修了程度 | 漢字の読み 漢字の書取 筆順・画数 |
1級(出題分野)
1級は大学・一般程度のレベルだと言われていますが、その合格率は6.1%と最も難しい級になります。難読漢字がほとんどで、漢字の知識が豊富で自信がある方以外はチャレンジしても受かる可能性が低いでしょう。
【問題例】
- 北門の鎖鑰に勁兵を集める。
答え.さやく
準1級(出題分野)
こちらの準1級も1級同様に、大学生・一般程度のレベルになっています。合格率は18.5%と1級に比べれば上がりますが、依然として難しさはかなりのものです。
【問題例】
- 繭紬の陰紋付に袴を穿いている。
答え.けんゆう
2級(出題分野)
2級は高校生・大学・一般程度のレベルですが、実際は事前の勉強と受験対策が必要なレベルなので、よほどの自信がない限り、合格はむずかしいでしょう。事前の学習・対策が必要です。このレベルから上は、履歴書に書いたときに自己アピールにつながる級だと言われています。
【問題例】
- 法被を着た従業員が客引きをする。
答え.はっぴ
準2級(出題分野)
準2級になると合格率も36.8%まで上昇し、約4割の人が合格できるようになります。社会人の方が受ける場合、この級からと考える人も多いかもしれません。読み書きだけではなく部首や四文字熟語など、幅広い分野での解答を求められるのでしっかり対策をした上で挑みましょう。
【問題例】
- 生活水準の格差の実態を把握する。
答え.はあく
資格が役立つ場面

会社での企画書や取引先へのメールなど、社会人になっても漢字や日本語の知識をフル活用して仕事に取り組む場面は多々あるでしょう。漢検を通してきちんとした知識を身に付けることで、仕事の質が向上し信頼度もアップします。履歴書や入学願書に書く資格としても活用されています。また、子供たちに宿題を教えたり読めない漢字を聞かれたりなど、教える立場になったときに漢検を持っていると、正しい知識を伝えることができるので非常に便利です。
おすすめ勉強方法
漢検の勉強は、基本的にテキストや過去問題を使った独学がほとんどです。空いた時間を利用してテキストを読み、問題集で実践練習をして一つでも多くの漢字を覚えることが大切です。問題集を何度も繰り返すことで覚えた漢字も増えていきます。漢検を主催している「財団法人日本漢字能力検定協会」から、級ごとに様々なテキストや問題集が販売されているので紹介していきます。
テキスト

- 漢検要覧
漢検受検に欠かせない基本の1冊です。級ごとに分かれていて、機能1冊重視した一覧表も付いています。自分が受検する級のテキストを購入し、しっかり対策していきましょう。
- 漢検 漢字辞典/漢検 四字熟語辞典
漢検は級が上がると、当て字も豊富に出題されます。漢検対応の漢字辞典を1冊持っておけば、厳選された熟語・ことわざ・慣用句・熟字訓・当て字と1級までの漢字を全て網羅できるのでおすすめです。同じく四字熟語辞典もあり、「漢検」検定級を表示してあるので級に合わせて学習に取り組めます。
過去問・問題集
- 漢検 実物大過去問 本番チャレンジ!
その名の通り、実物大の過去問題です。1/準1級は各級2回分(計4回分)、2~10級は各級5回分がセレクトされ収録されています。正答率のレーダーチャートが付いた「学習の記録」や解答時の疑問を解決してくれる「漢検受検Q&A」など、より本番を意識した過去問題に取り組める1冊です。
- 漢検 過去問題集
検定前に是非とも活用して欲しい過去問題集です。合格者はどのくらい得点しているか分かる「合格者平均得点」が掲載されているので、自分が今どのくらいのレベルなのかが一目瞭然です。自宅でできる漢検・実力テストとして活躍が期待できます。
まとめ

漢検を受けることで、社会人として必要な常識を再確認できるだけではなく、自分が努力していることを面接などで効果的にアピールすることができます。言語能力や語彙力が高い方が、転職後の新しい職場でもスムーズにいくことも多いはずです。何歳からでもチャレンジできる漢検は、あなたの転職を力強くサポートしてくれるでしょう。ぜひチャレンジしてみてください。
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