医療事務の難易度や役立つシーンを紹介
目次
医療事務は、求人が安定している職業の一つとして知られています。家族の転勤や出産・育児などのライフスタイルの変化にも対応できるため、特に女性から高い注目を集めている職業です。転職活動をしている方にとっても、資格を取ることで活動に幅がでてきます。ここでは複数ある医療事務資格のうち、代表的な4つを中心に受験方法や学習方法について紹介していきます。
医療事務とは

医療事務とは、病院やクリニックなどの医療機関で受付・医療費の計算や診療報酬の請求などを行う仕事です。医療事務は全国的に見ても求人募集の多い仕事で、特に女性に人気があります。ライフスタイルの変化に合わせた働き方ができる上に、安定していることから転職したい職業として未経験から目指す人も多くいるようです。
医療事務の目的
医療事務資格は、医療現場における事務作業が請け負える資格という意味で広く使われており、実際には主催する団体ごとに複数の資格が存在しています。医療事務系の資格のほとんどは国家資格ではなく「民間資格」になりますので、資格を持っていなくても医療事務として就職することは可能です。どの資格を取得しても医療事務として働くために必要な専門的な知識は身に付くので、自分に合った資格を選ぶと良いでしょう。
今回紹介する代表的な資格は、以下の4つです。
- 医療事務技能審査試験(日本医療教育財団)
- 医療事務管理士(技能認定振興協会)
- 診療報酬請求事務能力認定試験(日本医療保険事務協会)
- 医療事務認定実務者(R)(全国医療福祉教育協会)
試験日・実施会場

試験日や実施会場・受験料については、以下の通りです。試験ごとに違いがあるので、自分が受けたい試験の内容はしっかり確認しておきましょう。
- 試験日:毎月実施
- 実施会場:在宅試験(国内のみ)
- 受験料:7,700円(税込)
- 試験日:奇数月の第4土曜日
- 実施会場:在宅試験
※インターネット試験は好きなときに受験可
- 受験料:7,500円(税込)
- 試験日:年2回(7月、12月)、日曜日または祝日
- 実施会場:札幌市他、全17都市で実施
- 受験料:9,000円(税込)
- 試験日:毎月実施
- 実施会場:在宅試験
※会場受験は実施する認定機関が試験日を決定する
- 受験料:5,000円(税込)
受験者数
各資格の受験者数を見てみると、毎年1万人を超える方が受験している資格もあるようです。特別な受験資格がなく、また在宅でも試験を受けられることもあって人気の高さがうかがえます。
実施年 | 受験者数 |
2019年 | 17,525人 |
※未記載(合格率のみ公表)
実施年 | 受験者数 |
2019年 | 5,337人 |
実施年 | 受験者数 |
2019年 | 13,250人 |
試験の難易度
試験の難易度としては、「診療報酬請求事務能力認定試験」の合格率が約30%とやや難しくなっていますが、医療事務系の資格試験は全体的に合格率が高いため、比較的取りやすい資格だと言えるでしょう。
- 合格点:学科試験および実技試験I・IIの全ての得点率が70%に達したら合格
- 合格率:60~70%前後
- 合格点
【実技試験】
点検・作成問題ごとに60%以上の得点をし、かつ3問の合計で85%以上
【学科試験】
85点以上
※実技・学科とも合格基準に達した場合に合格と判定します。
- 合格率:約50%
- 合格点学科試験60点以上(100点満点)、実技試験85点以上(100点満点)
※実技・学科とも合格基準に達した場合に合格と判定します。
- 合格率:約30%
- 合格点:原則として、学科、実技それぞれ正答率6割以上を合格
※ただし、問題の難易度等により変動する
- 合格率:約60~80%
試験内容

各試験で出題される範囲は、以下の通りになります。出題内容に違いはありますが、求められる知識は同じです。出題形式などの違いがあるので、学習プランは受けたい資格試験に合わせて作るようにしましょう。
- 実技I
患者接遇/筆記(記述式)/2問/50分
- 学科
医療事務知識/筆記(択一式)/25問/60分
- 実技II
診療報酬請求事務/診療報酬明細書点検/4問/70分
- 実技試験/ 診療報酬明細書を作成するために必要な知識
- 学科試験/法規、保険請求事務、医学一般
※試験は現在の診療報酬点数表に基づき行います。
- 学科試験、実技試験
- 学科問題
接遇とマナーに関する知識
医療機関における各種制度に関する知識
医療事務業務に関する知識
診療報酬請求に関する知識
- 実技問題
レセプト作成
接遇とマナーに関する知識(出題分野)
医療事務は患者だけでなく、医師や看護師、業者の方など、多くの人との関わりがある仕事です。あらゆる状況において正しい対応の仕方が求められます。
【問題例】
話し方として適切なものを選びなさい。
a.忙しいときはスピードを重視する。 b.具体的にわかりやすく説明する。 c.事務的に抑揚なく説明する。 d.内容を理解しているか確認せずできるだけ多く説明する。 |
医療機関における各種制度に関する知識(出題分野)
病院には様々な保険を使って医療を受ける患者がいます。その分野は多岐に渡るため、正しく診療報酬を算定するための能力が求められます。法改正で保険割合に変更があるなど、常に新しい知識へのアップデートが必須の分野だと言えるでしょう。
【問題例】
医療広告として認められないものを選びなさい。
a.平均入院日数 b.他院と比較して優良であること c.治療結果分析の内容 d.患者満足度調査の結果 |
医療事務業務に関する知識(出題分野)
医療事務として働くために必要な知識について学ぶ分野です。実務との関わりが強い分野なのでしっかり押さえておきましょう。
【問題例】
レセプトの提出期限として正しいものを1つ選びなさい。
a.レセプトの提出期限は、診療月の月末まで b.レセプトの提出期限は、診療月の翌月の月末まで c.レセプトの提出期限は、診療月の翌月の20日まで d.レセプトの提出期限は、診療月の翌月の10日まで |
診療報酬請求に関する知識(出題分野)
病院によっては入院施設があり、これらの診療報酬の算定も医療事務の仕事です。この知識があることで、転職先の幅が広がるのでキャリアアップにもつながります。
【問題例】
外来管理加算が算定できないものを1つ選びなさい。
a.電話再診 b.内服薬の投与と画像診断 c.点滴注射と検体検査 d.時間外の診察のみ |
資格が役立つ場面

医療事務は民間資格であるため、資格を持っていなくても働くことができます。しかし、面接の際に「資格の有無」を問われることがあるため、資格を取得しておくことで転職に有利に働く場合があるでしょう。また、専門的な知識が必要で、専門用語が飛び交う職場であるため、資格があることでスムーズに業務に入れるメリットもあります。さまざまな医療事務の資格がありますが、どれを取得しても仕事内容に違いはないので安心してください。
おすすめ勉強方法
医療事務の資格取得を目指すならスクールや通信講座を利用して学習する方法もありますが、今回は独学での習得を目指す方におすすめの勉強法をご紹介します。独学なら自分の都合に合わせて勉強に取り組めるので、家事や仕事で忙しい方でもスケジューリングしやすいメリットがあります。ここでポイントとなるのが、学習で使うテキストと過去問題や問題集選びです。それではどのようなテキストや過去問題・問題集を選べば良いのか見てきましょう。
テキスト
医療診療報酬は2年に1度、介護診療報酬は3年に1度改定されるので、テキストは必ず一番新しい年度のものを購入するようにしましょう。最近は転売サイトなどで通信コースのテキストが売られていることがありますが、これらの改定に対応できていない場合があるので試験対策としてはおすすめできません。複数ある中でどの認定試験を受けるかを決めた後に、必要なテキストや資料を揃えるようにしましょう。主催する団体がテキストなどを販売していないか、あらかじめチェックしておくとムダがありません。テキストを選ぶときは、書店に足を運び、自分の目で見て確かめることも大切です。「分かりやすい」など良い印象のものを選ぶと学習がスムーズに進むでしょう。
過去問・問題集
テキストで学習した知識を定着させるためには、過去問や問題集を解くことがポイントです。こちらも主催する団体が販売しているものがあれば、テキストと一緒に購入しておくと良いでしょう。実際の試験の流れや出題傾向などが掴めるので、受験対策にはピッタリです。問題集を繰り返し解くことで、自分の得手不得手がはっきり見えてきます。独学だと人から指摘されることがないので、「何度も同じところを間違える」「この分野は得意だ」など客観的に自分の実力を把握するためにも過去問や問題集は揃えておきましょう。
まとめ

医療事務は昔から転職希望者が多い職業です。特にライフスタイルの変化が大きい女性にとっては、全国どこでも働くことができて就業形態が様々ある医療事務は「手に職をつける」という安心感もあり年々人気が高まっています。医療事務は体力勝負の仕事ではなく年齢を気にせず働けるので、「一生涯続けられる仕事」を探して転職を考えている方にもおすすめの職業です。
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