派遣の契約期間とは?更新と期間延長についても解説
目次
派遣では契約期間が定められていることが一般的ですが、この契約期間について、気になる方は少なくないのではないでしょうか。また契約を更新する場合や期間延長をする時には、その内容を本人が把握し、確認しておく必要があります。派遣先企業や派遣会社に任せていると、後々トラブルが起こった際などに自分で対応できなくなることもあります。また派遣の求人に応募することを考えている方は、応募前に契約期間について十分確認してください。
派遣ってどういう働き方?

まずは、派遣の基本的な働き方について理解しておきましょう。正社員の場合には、就業する会社に属して仕事をすることになります。一方で、派遣社員が所属するのは派遣会社となるのが大きな違いです。派遣会社に所属した上で、そこから紹介された会社へ行って働くことになります。お給料が支払われるのも派遣会社からです。
では、所属以外に働き方に何か違いはあるのでしょうか?所属は違うものの、派遣社員も正社員同様、その会社の一員として責任を持った仕事をする必要があります。ただし、派遣契約に記載された以上の業務を依頼された際には、その要求に答える必要はありません。例えば、残業なしの約束だったのに残業を求められたなどの場合には、所属先の派遣会社とも相談し、適正な働き方へと改善してもらいましょう。
派遣社員では一定期間ごとに複数の就業先を経験することが一般的です。このため、様々な職場を体験して経験値を上げたい、キャリア選択の参考にしたいと考える人に向いています。また、一部の派遣先では、派遣社員から正社員への登用が可能となっているのです。
派遣社員では業務内容を限定した契約となることも可能であるので、派遣企業に相談しておけば、苦手な業務を回避することもできるでしょう。少しずつスキルアップを目指したい場合にも派遣という働き方は適しています。
派遣の契約期間は?

ここでは、派遣の契約期間について、詳しく見ていきましょう。ここでは1ヶ月、3ヵ月、そして派遣期間の上限である3年の3つに分けて解説していきます。契約期間が設けられているのが派遣社員と正社員の一番大きな違いといえます。この契約期間のおかげで、様々な職場を経験したり、柔軟な働き方をしたりということが可能となるのです。
1ヶ月
派遣の契約期間は最短でも1ヶ月となります。これは、労働者派遣法で日雇いでの派遣契約が原則禁止されており、少なくとも31日の派遣契約を結ばなければならないことに関係しているのです。紹介先に初めて派遣される場合には、この1ヶ月間という短い契約期間となることが多くあります。受け入れる会社側としては、どんな人が来るのかわからないためお試しで仕事をしてもらいたいという意図があるでしょう。業務内容に見合ったスキルを持っているか、職場の人と上手く馴染めるか、真面目に仕事をしてくれるのかなどを見定める期間として設けているのです。実際に1ヶ月働いてもらって、適正が認められれば、もっと長い期間で契約を更新することが一般的です。
3ヶ月
3ヶ月というのは派遣契約でよくある契約期間です。これは企業における決算の時期と関係していると考えられます。企業には1年分の業績を4回(3ヶ月毎)に分けて公表する義務があるため、派遣の契約もそれに合わせているのです。派遣社員の費用を決算に組み込む上で、3ヶ月間を1つの区切りとすると効率的なのでしょう。また、派遣社員が多い会社ではバラバラな時期に派遣社員を受け入れると管理が大変です。そのため、同じ時期に3ヶ月と決めて応募を出し、まとめて就業してもらうのです。
もちろん、契約期間は法律で定められた下限上限を守っていれば、3ヶ月に限定する必要はありません。人員を強化したいプロジェクトの必要期間が長期に渡る場合や、業務に慣れてもらうのに一定以上の期間が必要な場合には、3ヶ月以上の契約となることもあるでしょう。
上限は3年
派遣契約は1年を超えた長期間で契約を結ぶこともできますが、その上限は3年となっています。派遣法改正が2015年に行われ、同じところで3年以上働くことはできなくなってしまったのです。しかし、上限設定には前向きな意味が込められています。派遣契約に3年という制限を設けることで、その職場でもっと長く働ける人には派遣先への直接雇用打診をしたり、もっと条件の良い新たな派遣先を提案したりなどが行なわれることが期待されているのです。
派遣の更新ってどうなってるの?

派遣として働く場合、希望があれば更新を行いますが、そうでない場合は契約終了となります。派遣社員は、上記で解説したように契約期間が決まっています。その後、契約を更新したい場合や、終了したい場合はどのような手続きを踏むのでしょうか。ここでは派遣契約の更新手順について詳しく説明していきます。
更新の場合はどうしたらいい?
派遣社員の契約は1ヶ月から3年となっています。上限の3年までは契約更新をすることではじめの契約期間よりも長く働くことができるのです。派遣先会社、派遣元会社は1ヶ月前に更新の確認を行なう必要があります。この際、契約更新に働く側と受け入れる側の双方が合意すれば、契約継続となるのです。
契約期間を更新する際には、その時結んでいる契約の期間と同じ期間になることが多いでしょう。3ヶ月で契約した後、突然1年以上というように期間が大幅に延びることはあまりなく、同じ期間を何度も繰り返すタイプの更新が続くことが一般的です。派遣先企業の就業環境が気に入り、長い間働きたいのであれば派遣社員から正社員への登用の余地なども相談すると良いでしょう。契約更新は必ず保証されたものではありません。派遣社員として働く場合には、その点に注意しておく必要があります。
契約終了の場合は?
では、契約を更新せず終了する場合にはどうすれば良いのでしょうか。自分の意思で契約終了をしたい場合には、契約更新の確認が来た際にその旨を伝えましょう。会社の意思で契約終了となった場合には、契約が終了する1ヶ月前に通知が来ます。もし通知が来ない場合は、派遣会社から派遣先に確認してもらうと良いでしょう。通知がないからといってそのまま契約が更新されるとは限りません。契約終了の通知を、派遣会社、あるいは派遣先会社が通知するのを忘れていることもありえるからです。派遣の社員として働いている場合、自分が所属しているのは就業先の会社ではなく派遣会社なので、何かわからないことがあれば派遣会社に確認するようにしましょう。
ここで、派遣契約終了となった場合に、失業手当を受けられるのか気になる方もいらっしゃることでしょう。派遣社員の方でも失業手当は受給できます。ただし、自己都合と会社都合という2つの条件によって手当の受給を開始できる時期は異なります。派遣の契約終了の理由が派遣先の事情によるものであれば、失業理由が会社都合となるため、すぐに失業手当を受け取れます。一方、自己都合での退職は失業給付金がすぐに適用されないため、契約期間終了後1ヶ月を経過するのを待ちます。どちらにしても受け取るためには申請が必要であるため、忘れずに申請を行うようにしましょう。
3年経った場合の期間延長はどうなるの?
派遣社員として同じ就業先に派遣される場合、現行法では3年が上限です。派遣として働いて3年経った場合、その後の働き方にはどのような選択肢があるのでしょうか。①別の派遣先で働く、②同じ派遣先に正社員として雇用してもらう、③派遣会社自身に雇用してもらう、といった3択が考えられます。
もし今派遣されている会社でより長く働きたいという要望があるならば、クーリング期間を設けると3年の上限を超えてもまた同じ場所で働けるようになります。クーリング期間とは、一定期間経過したら派遣期間上限がリセットされる仕組みです。クーリング期間は3ヶ月と1日で、これ以上の間を空ければまた同じ派遣先で働いても問題にはなりません。なお、派遣上限でいう3年というのは同じ会社というより同じ部署で働いた年数のことを指すため、同じ会社の違う部署で働けるのであればクーリング期間を置くことなく、また3年働くことはできます。
しかし、3年を超えて同じ場所で働いてもらいたい場合は、直接雇用に変更するのが望ましいともいえるでしょう。直接雇用せず、クーリング期間を経て同じ派遣先に同じ労働者を派遣するのは、労働者派遣法の趣旨に反するものとされています。
まとめ

派遣社員として働く際には、契約の更新を経験することがよくあります。契約更新については後々トラブルとならないように事前に所属する派遣会社に確認するようにしましょう。派遣には契約期間の上限が定められており、ずっと同じ場所で働くことは基本的にできません。同じ派遣就業先で長く働きたい場合には、正社員に登用してもらう、部署を変える、クーリング期間をおくなどが考えられます。どのような働き方がしたいのか自分にとってベストな選択を考えてみてください。
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