派遣社員が行うダブルワークの注意点

派遣社員として働きながら、ダブルワークをしている方は少なくありません。しかし、そもそも派遣社員がダブルワークをすることには問題がないのでしょうか。

派遣社員とのダブルワークを考えているのなら、何も問題がないのか、メリットやデメリット、注意すべきポイントなども正しく理解しておきましょう。

ダブルワークと副業の違い

ダブルワークと副業は似ていますが、さまざまな部分に違いがあります。

ダブルワークは、文字通り「2つの仕事」との意味があり、仕事を掛け持ちしている状態を指します。

一方の副業は、本業の仕事をこなしつつ、自由になる時間を活用して収入を得る行為です。

こちらも2つの仕事を行うことになりますが、ダブルワークとの大きな違いは本業があることです。

一般的に、ダブルワークは本業を持たず2つの仕事を掛け持ちしているケースを指します。

ダブルワークとは

2つの仕事を掛け持ちしながらこなしている状態を指します。

それぞれの仕事に費やす時間や、得られる給料がほぼ同程度であるとき、ダブルワークとみなされることが一般的です。

ダブルワークは、本業を持たずに2つの仕事を掛け持ちするスタイルです。

つまり、正社員として働きながらアルバイトをする、正社員をしながらパートタイマーで働く、といったパターンはダブルワークとは呼びません。

そもそも、多くの正社員は副業やダブルワークを禁じられているためできないのです。

たとえば、午前中はコンビニでアルバイトをし、昼からスーパーでパートタイマーとして働く、といったパターンが挙げられます。

非正規雇用で2つの仕事をしている状態、との認識でも問題ありません。

副業とは

本業以外の収入源となる仕事を指します。ダブルワークとの違いは、明確な本業があることです。

なお、本業とは生計を立てているメインの仕事、収入のほとんどを占める仕事、副業ではない本来の職業を指します。

正社員として働きながら、土日にコンビニや居酒屋でアルバイトをする、といったパターンが挙げられます。

また、仕事が終わってから在宅でライティングやデータ入力、アフィリエイトをするなども代表的です。

副業はあくまでサブ的な位置づけであるため、収入の大半は本業が占めます。

多くの方は、お小遣い稼ぎ程度の考えで行っていますが、中にはいずれ本業にしたいと多くの時間を費やすケースもあります。

派遣社員もダブルワークは可能

派遣社員は、正規雇用された社員ではありません。

法律で明確に禁止されているわけでもないため、派遣社員がダブルワークをすることに何の問題もありません。

そのため、派遣社員として働きながらアルバイトやパートタイマーとして働くことは可能です。

派遣先の企業が正社員のアルバイトやパートを禁止していても、派遣社員には関係ありませんが、派遣会社へ相談することは忘れないでください。

多くの派遣会社では、派遣スタッフのダブルワークを禁止していません。ただ、中には禁止しているところがあるかもしれないため、事前の確認は必須です。

もし、派遣会社の就業規則にダブルワークを禁止する旨が明記されているのなら、違反行為とみなされます。

減給や契約の解除となるおそれもあるため、注意しましょう。

派遣会社によって、ダブルワーク可否の線引きが異なることを忘れないでください。

ダブルワークのメリット・デメリット

もっとも大きなメリットとしては、収入の増加や安定性を図れることです。

異なる業種の仕事に従事することで、キャリアアップやスキルアップのチャンスも広がります。

デメリットとしては、生活リズムが不安定になる、体力やメンタルが消耗することが挙げられます。

ダブルワークのメリット

派遣社員がダブルワークで働くことで得られる、代表的なメリットをピックアップしました。

• 収入面が安定する
• スキルアップやキャリアアップが可能
• 気分転換ができる

空いた時間を活用してダブルワークをすれば、収入を増やせます。

生活水準を引き上げられ、ワンランク上の生活を送ることも夢ではありません。

収入が安定するため、精神的なプレッシャーからも解放されます。

ほかの業種、職業を体験することでスキルアップ、キャリアアップが可能です。

派遣先では身につけられないスキルが身につけば、派遣の仕事がなくなっても安心です。

普段と異なる職場で働けば、気分転換にもなります。

リフレッシュでき、派遣の仕事にもよい影響を与えるかもしれません。

ダブルワークのデメリット

メリットがある一方で、デメリットがあることも覚えておきましょう。

以下、代表的なデメリットをまとめました。

• 生活リズムが乱れてしまう
• プライベートの時間がなくなる
• 体力とメンタルを消耗する生活リズムが乱れてしまう
• プライベートの時間がなくなる
• 派遣の仕事に悪影響が出る

ダブルワークを始めたばかりのころは特に、生活リズムが乱れがちです。

生活リズムの乱れが体調不良を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。

派遣の仕事が終わったあとや、土日など休日に働くケースが多く、プライベートの時間がなくなりやすいのもデメリットです。

やりたいことができず、精神的なストレスを抱えてしまうかもしれません。

トータルで働く時間が増えるため、体力とメンタルをどんどん消耗します。

免疫力も低下し、体調不良を引き起こしやすくなるかもしれません。

結果的に、派遣の仕事へ悪影響も及ぼしてしまいます。

ダブルワークをする際の注意点

派遣社員がダブルワークをする場合、確定申告が必要になるケースが出てきます。

確定申告が必要なのに放置してしまうと、ペナルティを科せられるおそれがあるため注意が必要です。

また、派遣の仕事に悪影響を及ぼさないよう、常に体調管理には気をつけなくてはなりません。

確定申告をする可能性がある

派遣の仕事以外に従事しているアルバイトやパートなどで、年に20万円以上の収入を得ているのなら確定申告が必要です。

年末調整はメインの収入を得ている会社でしか行われないため、それ以外の所得については自ら申告しなくてはなりません。

確定申告は、毎年2月16日から3月15日までの間に行います。

国税庁の公式ホームページや、税務署で申告書用紙を手に入れ必要事項を記入しましょう。

申告書は、税務署の窓口に直接提出するほか、郵送でも受け付けてもらえます。マイナンバーカードやICカードリーダーがあれば、e-Taxによる電子申告も可能です。

体調管理に気をつける

ダブルワークをしている方は、どうしても労働時間が長くなってしまいます。

体力の消耗も激しいため、体調を崩すことも珍しくありません。体調を崩すと、派遣の仕事に影響を与えてしまうため注意が必要です。

特に、睡眠時間を削ってダブルワークをしているような方は、注意してください。

しっかりと睡眠をとらないと、疲れがとれずどんどん蓄積されます。集中力や注意力の低下につながり、仕事でもミスをしやすくなります。

栄養バランスのとれた食事をとり、しっかりと睡眠時間を確保することが大切です。

ダブルワークで収入が増えても、体を壊しては元も子もありません。

まとめ

派遣社員でもダブルワークはできますが、必ず登録してある派遣会社の就業規則を確認しましょう。まずは、担当者に相談してください。

ダブルワークで働くのなら、日ごろから体調管理に気をつけ、必要に応じて確定申告も行いましょう。体を壊さぬよう、ムリのない範囲で頑張ってください。