派遣先でパワハラ・モラハラ・セクハラに遭ったら
目次
「ハラスメント」とは、不快ないじめや嫌がらせという意味です。昨今では「パワハラ」「モラハラ」「セクハラ」という言葉をよく耳にするのではないでしょうか。これらのハラスメントは決して他人事ではありません。すでにハラスメント被害に遭ったことがある方、被害に遭う前に知識を得たい派遣社員に向けて、各種ハラスメントの意味と内容、対策について解説します。男女とも被害に遭う可能性があります。ぜひ、何かが起こる前に本稿をご一読ください。
職場におけるハラスメント

厚生労働省の「平成27年度個別労働紛争解決制度施行状況」によると、総合労働相談コーナーへの相談のうちハラスメント関連の相談は平成24年以降、解雇や労働条件などに関する相談を抑え、すべての相談内容の中でトップとなっています。平成27年の相談件数は66,566件ですが、これは相談があった件数のみとなるため、深刻な状況であることがわかります。発生事例としては、職務上の立場を利用したものが多いようです。それでは、派遣社員という立場とハラスメントの関係について詳しく見ていきましょう。
派遣社員とハラスメントの関係
残念ながら派遣社員は、ハラスメントに遭いやすい傾向にあります。その大きな理由は、派遣という雇用形態にあると考えられます。派遣社員は外部から来ているため、派遣先の正社員は自分の立場が上であるような気持ちになってしまうことがあるようです。もちろん、すべての正社員がこのように考えているわけではなく、ほんの一握りですが、この一握りがハラスメントの加害者となり得るのです。
ハラスメントをする人の特徴
ハラスメントをしてしまう人は、自己中心的な人が多いです。中でも自分を中心に世界が回っているような感覚を持っている人に多い傾向があります。人より上の立場にいるのが好きで、他者に意見されることをひどく嫌います。自分の意見は必ず正しいと信じており、他者は自分の意見に従うべきであると考えています。また自分は他とは違う特別な存在であると思っているようです。
ハラスメント被害に遭いやすい人の特徴
被害に遭いやすい人は、真面目で正直な傾向にあるようです。お世辞が上手ではなく思ったことを言ってしまうので、相手の機嫌を損ねる可能性があります。また、器用で優秀な人は妬みがハラスメントへと繋がります。逆に、仕事を覚えるのに少し時間がかかる人も、ハラスメントの対象になり得ます。
ハラスメントをする人は自分が中心なので、自分よりも優れている人、恵まれている人、足を引っ張る人を嫌います。しかし、当然のことですが上記傾向に当てはまったとしてもハラスメントは被害者のせいではありません。加害者が一方的に敵視しているに過ぎないのです。
パワハラへの対処法

パワハラとは「パワーハラスメント」の略で、職場での地位を利用して度を超えた指導や暴言、業務を逸脱した嫌がらせを行うことをいいます。大勢の前で不必要な説教を行ったり、常識の範囲を超えたノルマを課したりといった、上司や管理者という立場を使ったものが多く見られます。パワハラの事例は具体的にどのようなものがあるのか、そしてどう対策をしたら良いかを考えていきましょう。
パワハラの被害例
実際に職場で起こるパワハラには、下記のようなものがあります。
- 殴る蹴るなど、実際に手を出す身体的被害
- 暴言や侮辱など、主に言葉で追い詰める精神的被害
- 周囲を巻き込んだり、物理的に席を話したりするなどで孤立させる
- とてもこなせない量の、度を超したノルマ
- 上司の席の清掃、ひたすらコピーだけなどやりがいのない仕事を与える
- プライベートへの踏み込み
パワハラチェックポイント
自分がパワハラを受けているかどうかわからないときは、下記の項目をチェックしてください。1つでもあてはまれば、パワハラを受けている可能性があります。
□指導中に手や物で叩く
□壁や物を叩いて脅す
□人前で説教をする
□汚い言葉で侮辱する
□「お前はいつでも切れる」と脅す
□業務上必要な連絡事項を伝えない
□懇親会などに誘われない
□ノルマが膨大すぎると感じる
□単調な仕事しか与えられない
□家庭環境や信仰を批判される
より詳しくチェックしたい方は、下記のサイトを参照してください。
■厚生労働省 あかるい職場応援団
パワハラに遭ってしまったら
パワハラはそのまま我慢したりせず、改善のためにすぐにでも動いてください。パワハラをする本人に話したところで効果がないため、もっと上の立場の人に話をします。会社に相談窓口が設置されていることもあります。社外で相談するのも良いでしょう。厚生労働省の相談窓口や弁護士への相談がおすすめです。
■厚生労働省 こころの耳
■厚生労働省 あかるい職場応援団
■法テラス
モラハラへの対処法

モラハラとは「モラルハラスメント」の略で、モラル(道徳)に反する嫌がらせをすることをいいます。暴言や無視など、内容がパワハラと似ているので混同されがちですが、パワハラは立場が上の人物からの被害がほとんどであるのに対し、モラハラは必ずしも上司が加害者になるわけではありません。同僚や後輩、職場に限定しなければ家庭内でも発生することがあります。それでは、モラハラの事例と対策を解説していきます。
モラハラの被害例
職場でのモラハラには、下記のような事例があります。
- 業務に関係ない悪口、陰口を言われる
- 懇親会に誘わないなど、孤立させられる
- 挨拶や会話を無視される
- プライベートを詮索されて、あることないこと噂話を広められる
- 必要な業務連絡がもらえない
- 無理な量の仕事を押しつけられる
モラハラチェックポイント
自分がされている行為が、モラハラかどうか確信が持てないときは下記の項目をチェックしてください。1つでもあてはまれば、モラハラの可能性があります。
□侮辱されることがある
□陰口を言われている
□いつも飲み会などに誘われない
□聞こえる声量で話しかけても無視された
□業務に関係ないことも含め、マウンティングされた
□身体的、精神的コンプレックスをばかにされた
□自分に関する噂話が巡っていることに気が付いた
□書類や必要な情報がもらえない
モラハラに遭ってしまったら
モラハラに遭ったら加害者からから離れる、自分の情報を会社で話さないなどの対策をしてください。まずは迅速に、加害者との距離を取ることが大切です。そのうえで、早めに誰かに相談しましょう。上司が信頼できる場合は真っ先に相談したいところですが、上司自身が加害者の場合は周囲の味方に話してください。加害者は悪者になるのを嫌う傾向にあるため、周囲に知られたくないと考えるケースがよく見られます。
社内での相談が難しければ、下記のような社外の機関を利用しましょう。
セクハラへの対処法

セクハラとは「セクシャルハラスメント」の略で、セクシャル(性的)な嫌がらせをすることをいいます。直接触れる身体的なものや、言葉で迫る精神的なものがあります。セクハラと聞くと、女性が被害者になるイメージがありますが、実際には男性が被害者になることも多くあります。どのハラスメントも、男女関係なく被害者と加害者が存在します。それでは、セクハラの事例と対策について考えていきましょう。
セクハラの被害例
職場でのセクハラには、下記のような事例があります。
- 食事のあと、酔った勢い(もしくはフリ)で抱きつかれる
- 他の人から見えないように手を握られる
- 交際相手のことを執拗に聞いてくる
- 出張で宿泊する部屋を、同部屋にされそうになる
- 気軽な感じで、腰やお尻を触ってくる
- 関係を迫られ、拒否したら以降ずっと不機嫌になりチームから外された
セクハラチェックポイント
自分が受けている行為がセクハラにあたるかどうかわからなくなってしまったら、下記のチェックポイントを参考にしてください。1つでもあてはまれば、セクハラの可能性があります。
□体型や容姿について頻繁に話題にされる
□性的な話を振られる
□接待を強要される
□しつこく個人的な食事に誘われる
□結婚の意思があるかどうかを頻繁に問われる
□交際経験や異性経験についてよく聞かれる
□終業後や休日に性的な内容を含む連絡が来る
□よく身体を触られる
セクハラに遭ってしまったら
相手から送られてきたメッセージなどが残っている場合は、証拠として確保しましょう。そのうえで、上司や会社の相談窓口などに相談してください。加害者が社内で信頼を得ていたとしても、証拠があれば動いてもらいやすくなります。物的証拠がなくても、日付と内容のメモを残してください。
社内での相談が難しければ、外部の機関を利用しましょう。
まとめ

各ハラスメントは業務に支障が出るだけではなく、被害者の人生すら狂わせてしまう可能性がある恐ろしいものです。そのままにせず、まずは誰かに相談することから始めてください。話に耳を傾けてくれる人や機関が必ずあります。被害者は決して悪くありません。適切な労働環境を得るため、自分のために行動を起こしましょう。
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