高学歴女性が派遣になるのってあり？なし？

派遣社員と聞くと「仕方なく」そのような働き方をしているのではないかと思われがちですが、必ずしも「やむを得ず」選択しているわけでありません。例えば、高学歴の女性があえて派遣を選択して働くというケースもあります。本記事では、派遣女性として働くことのメリットを解説します。知っておくべきデメリットも合わせて確認していきましょう。

高学歴女性が派遣を選ぶメリット

高学歴女性が、あえて派遣という働き方を選択するケースも少なくありません。派遣で働くことにはさまざまなメリットがあるからです。

派遣女性にとってのメリットを具体的に挙げると、主なものは以下の4点です。

• 大手企業で働ける
• 様々な職場を体験できる
• 働き方を選択できる
• 正社員より給料が良い場合もある

派遣だからこそ、働く場所や働き方の選択肢が増える場合があります。選択肢が増えれば、自身のライフスタイルに合わせた働き方やプライベートを重視する働き方も選べるようになるでしょう。仕事だけという生き方ではなく「趣味の時間を大事にしたい」「子育てを優先したい」など、自分のライフスタイルに仕事を合わせることもできるのです。

大手企業で働ける

派遣女性のなかには、中小企業よりも大手企業で働きたいという理由から、派遣社員を選ぶ人もいます。新卒で大手企業へ就職するのはハードルが高いため、派遣で実績を積んでから大手企業の正社員を目指すケースもあるようです。

求人が少なく、正社員としての入社が難しい大企業でも、派遣社員なら入社のハードルが低くなります。キャリアやスキル、年齢的な条件も、正社員と比較すると派遣社員のほうが緩やかな傾向です。

大手企業で積んだ経験はキャリア形成やスキルアップにも役立ちます。それを活かし、いずれは憧れの大手企業で正社員として働くことを目指して、大手企業の派遣社員という働き方を選ぶケースもあるのです。

様々な職場を体験できる

自分の本当にやりたい仕事が何かわからず、悩んでいる人は多いです。派遣として様々な職場を体験することで、やりたい仕事を見つけられるケースもあります。

なんとなく正社員として入社したけれど「やりがいが感じられない」「仕事が自分に合っていない気がする」などと悩むことも少なくありません。

そんなとき、いきなり無職になったりフリーターになったりするのには抵抗があるでしょう。派遣として様々な企業で働くうちに「自分の本当にやりたい仕事を見つけたい」と考えるようになる人も少なからずいるのです。また、派遣会社の担当者と相談しながら、自分に適した職場を模索する人もいます。

自分の得意を活かせる環境や、自分が本当にやりたい仕事を見つけるために、派遣という選択をするのもひとつの方法だと言えるでしょう。

働き方を選択できる

ライフスタイルに合わせた企業を選ぶことができるなど、自分の理想の働き方が実現できるのも派遣のメリットです。

副業の解禁により、本業と両立をしたいと考える人も増えています。派遣ならば勤務時間を一定にすることができるため、副業にも力を入れやすい働き方と言えるでしょう。

派遣先の企業を選択する際、自身のライフスタイルに合わせた条件を探しやすいのも派遣ならではの特徴です。例えば、以下のような条件などを柔軟に選択できます。

これまでのキャリアを活かしたいと考えた場合にも、正社員に限定するよりも派遣という働き方も視野に入れたほうが勤務先企業の選択肢が広がります。

正社員より給料が良い場合もある

正社員として働いたとしても、なかなか昇給昇格ができない人がいるのも事実です。ボーナスがないこともあるでしょう。実は結果的には派遣社員の方が収入が良いというケースもあります。

派遣社員には昇給昇格がないため、生涯年収を考えると不利かもしれません。しかし、短期の場合、正社員よりも給料が良い場合も少なくありません。パートやアルバイトよりも、派遣社員のほうが一般的に時給は高く設定されています。

勤務期間や時間、勤務地などの希望条件を優先して働けるだけでなく、時給も高いため、派遣社員は正社員とフリーターの「いいとこどり」の働き方だともいえる面があるのです。

高学歴女性が派遣を選ぶデメリット

派遣として働くメリットは大きいものの、一方でデメリットがあるのも事実です。例えば、雇用が不安定だったり、待遇の差があったりすることです。

直接雇用ではない派遣社員は、契約期間があらかじめ決められています。そのため、正社員に比べて雇用が不安定なのは当然のデメリットです。また、働き方の特性や契約の内容から正社員に比べて待遇の差が出ることもあるでしょう。特に、長期的に考えた場合の収入面や保障面は不安に感じる点も少なくありません。

自身のライフスタイルを優先させたい場合、派遣という働き方には魅力が多いですが、そのデメリットも理解して総合的に考慮して決める必要があるでしょう。

雇用が不安定

派遣先が見つからない場合、見つかるまでは無収入となるため、不安が伴うのが派遣のデメリットです。ライフスタイルを充実させるために派遣を選択したのに、雇用が不安定だと生活のために自分の時間が十分とれないということもあるでしょう。

また、年齢が上がるとともに次の派遣先が見つかりにくくなる傾向があるのも事実です。たとえ若くて高学歴でも、希望条件を高くし過ぎると派遣先が見つからないこともあり得るので注意しましょう

条件以外にも、経済状況や社会状況、希望する業界の動向にも左右されるのが派遣という働き方です。正社員と比較すると、派遣社員は派遣先企業との直接雇用でないため、いつ契約が終了となるかわからないというリスクもあるのです。

待遇の差がある

派遣社員のデメリットのひとつに、正社員と待遇の差があることが挙げられてきました。例えば、以下のような点です。

• 昇給昇格がない
• ボーナスがない
• 交通費が出ない
• 派遣先企業の福利厚生が利用できない
• 各種保険関係が完備していない

ただし、2020年4月の改正労働者派遣法の施行により、正社員と派遣社員の間の不合理な待遇の差をなくすための「同一労働同一賃金」の制度がスタートしました。政府が推進する働き改革の一環です。例えば、交通費については、通勤手当という形で派遣社員にも適用されるようになりました。このように、待遇差は改善される方向にあります。

高学歴女性の派遣は自身の考え方次第

派遣女性として働くことには、働く場所や働き方の選択肢が広がり、正社員よりも給料が良い場合もあるなどのメリットがあります。自身のライフスタイルを大切にして、プライベートを優先させたい人にとっては、適した働き方だと言えるでしょう。

「定時で帰りたい」「人間関係のストレスから開放されたい」と考えている人は、派遣社員として働くことも視野に入れてみるとよいかもしれません。

「高学歴なのに派遣なんて」と思われる人もいるかもしれませんが、ベストな働き方は人それぞれです。何を優先したいのかを考え、自分に合った働き方をするのが賢い選択といえるでしょう。メリット、デメリットの双方を総合考慮したうえで、ワークバランスも考えて選択することをおすすめします。

まとめ

ワークライフバランスを考えたときに、実はメリットが多いともいえるのが派遣という働き方。高学歴な女性が派遣として働くケースが多い背景には「自身のライフスタイルを優先させたい」「プライベートを充実させたい」と希望する女性が増えていることがあります。「高学歴なのに派遣を選ぶなんて」という時代ではもはやありません。自分にとってベストな働き方を考え、派遣という選択肢も視野に入れてみるとよいでしょう。