派遣社員は残業無し？会社に伝えておきたいポイントと注意点

派遣社員に対して「不安定で将来性が見えない」「職場で自由がきかなそう」などのイメージを持っている人が多いかもしれません。
しかし、実際のところ派遣社員には、正社員とは異なるメリットがたくさんあります。

「派遣社員は残業無し」は本当？

本当です。残業は派遣社員より正社員が優先的に行なうことと決めている会社が多いです。そのため、残業をしている派遣社員は半数以下となっています。また、派遣契約上そもそも残業を認めていないケースも多く見受けられます。

多くの会社が残業ほぼゼロ

多くの会社では派遣社員を雇うには外注労務費がかかるので、ある程度残業代が給料に含まれている正社員が優先的に残業を行い、余分に費用がかからないようにしています。そのため前述した通り派遣社員は、残業がほぼゼロということも多くあります。

一部毎日残業がある会社も

同じ派遣会社から派遣されて同じ会社で働く場合でも、配属先の部署によっては残業の有無や時間が異なるケースがあります。残業時間は配属された部署や業種にもよりますが、繁忙期などによっても異なります。配属先によっては1年を通じて忙しかったり、残業が多い時期と少ない時期があったりするので、年間通してどのくらいの残業時間になるのかを派遣会社や派遣先の会社の担当者に事前にしっかり確認しておくことが大切です。残業ゼロでも繁忙期になると急に増えることもあります。

派遣社員の残業が少ない理由

派遣の求人には「残業しなくてもいい」「毎日決まった時間に帰れる」などといった形でアピールしていることが多くあります。なぜ、このようなアピールをするかというと、世の中には帰りたくても残業に追われている人が一定数おり、中には会社に申告しないで残業を行わざるを得ないような激務の企業も少なからずあるためです。なので、そういった「激務でなく残業が少ない」というアピールはより魅力的な求人になるのです。

契約上の関係

派遣社員は時間単位で労働契約をするようになっていて、勤務時間が明確に決まっていることが一般的です。そのため、派遣社員の基本的な勤務スタイルは、定時で勤務終了し、終わらなかった仕事があれば翌日に持ち越すか社員に引き継ぎをすることになります。万が一、人手が足りず残業せざる終えなくなった場合は追加で費用が発生します。

その点がある程度残業代が給料に含まれている正社員と比較すると、会社側からすれば残業させるためのハードルが高くなります。

時給の関係

正社員の場合はあらかじめ給料にある程度残業代が含まれている契約形態のことも多いですが、派遣社員の場合は時給制で残業代は別に発生することが多いです。そのため、人件費削減で派遣社員に残業させるなら正社員を残業させたいと考える企業が多いのが現状です。正社員に固定残業制度を採用している場合、給料にある程度の残業代が含まれているためです。

派遣社員を雇うと会社にはもちろん人件費が発生します。派遣社員の給料は、派遣会社から支払われますが、派遣社員の残業代の計算方法は基本的には労働基準法で定められたルールが適用され、1日に8時間、1週間で40時間を超えた労働時間は残業扱いになります。また、残業代は時給の1.25倍の割増賃金となります。そのため、企業側からすれば派遣社員に残業を行わせる場合、別途費用がかさむということになってしまうのです。

雇用主の関係

派遣社員が残業することになった場合、派遣先の会社に責任が課せられます。場合によっては派遣会社に確認を取り、了承を得る必要があります。借りている人材だから残業を打診しにくいということです。つまり、派遣先企業の判断だけではなく派遣社員は派遣会社に守られていることになります。そのため、残業をお願いしても断られるケースも多く、頼みにくいというのも実際にはあります。

派遣社員が残業に関して会社へ伝えておくべきポイント

派遣社員として働く注意点として、派遣された部署が残業も含めて、自分が働ける時間の範囲内かをしっかり確認することが必要となります。派遣された後で自分が思っていた条件とは違うということにならないように、事前に直属の上司に伝え、残業の取り決めや取り扱いについて確認しておきましょう。

たくさん稼ぎたい場合

派遣で残業がある会社で働きたい場合は、「残業あり」の派遣先を紹介してもらうことも一案です。その場合、目標の収入額だけを伝えると時給が高い派遣先を紹介される可能性もあるため、はっきりと「残業ができる会社を紹介して欲しい」と伝えた方が確実です。

派遣された後で自分が思っていた条件とは違うということにならないように、こちらもどのような残業の扱いなのか事前にしっかり確認しておきましょう。

絶対に残業したくない場合

派遣社員にも関わらず派遣先で残業を強制的に指示されることも稀にあるかもしれません。繁忙期以外ではなくても、業務の都合で急な残業をせざるを得なくなるケースもあります。そのようなケースを避けるためには、事前に派遣会社に「残業はこの曜日だけ」「週、月に何時間以内」など細かく伝えておく必要があるでしょう。また残業を絶対にしたくない場合には、残業無しの会社を紹介してもらえるように、事前に話しておくという方法もあります。

また、そういった事情をあらかじめ派遣先の会社にも伝えておくとよいでしょう。

派遣社員は振られた残業を断れる？

派遣社員は残業を断りにくいと考えている人が多いかもしれませんが、現場によっては断れる場合もあります。例えば、派遣会社の求人には残業無と書いていた場合や、あらかじめ残業ができないと伝えておいた場合などです。ただしそのような規定がない場合には断れないこともありますので注意が必要です。

残業を断れるかどうかは自らの意思表示にも関わってくるので、さらには繁忙期などの絡みなどもあるので、残業ができないのであれば数回念押しをしておくと安全でしょう。

まとめ

派遣の仕事の1番の強みは「派遣会社が守ってくれる」ということです。正社員で会社に直接雇用されている場合、会社で何かトラブルがあり辞めることになっても味方をしてくれる人は余程のことがない限りいません。さらに転職するには当然ながら新たな仕事を自分の力で見つけていかなければいけません。しかし、派遣社員の場合は派遣会社が仲介に入ってくれ、職場を変えたい場合には他の派遣先を紹介してくれたり、中には希望の職種に有利になるために様々な資格検定の斡旋そしてくれるケースもあり、基本的には仕事が途切れる心配がなくとても安心です。

他にも、自分の意思を派遣会社を通じて伝えることができることも大きなメリットと言えます。そのため、正社員なら融通が効かないことでも、労働環境についての提言などであれば派遣社員なら叶う可能性が大いにあります。

また、派遣社員の場合残業代の発生は厳しく、サービス残業をする必要もありません。

自分にとって働きやすい環境を作れるのが派遣の仕事です。働き方に対する正直な意思をはっきりと伝えられ、充実した日々を送ることができるでしょう。今まで派遣に対して不安に思っていた人もこれを機にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。