派遣勤務中に体調を崩してしまったときの相談先

派遣勤務中に体調が悪くなり、欠勤したいという場合があるかもしれません。しかし、正社員と違って派遣の場合は急に休みは取りにくいものです。派遣へ転職を検討している場合、不安に感じられる点でしょう。

とはいっても、体調が悪いのに無理やり出勤というわけにもいきません。非常に厳しい状況ですが、どこに相談し、どのように伝えればよいのか知っておきましょう。

派遣社員の欠勤連絡マナー

派遣の場合、案件ごとに割り当てられる人数が決まっています。そのため欠勤者が出ると、他の従業員にしわ寄せが行くことになり、かなり迷惑を掛けてしまいます。この辺が正社員と違って派遣の欠勤しにくいところです。担当の派遣社員が一人欠けただけで、業務がスムーズにいかなくなることも結構多いのです。

会社側でも派遣の欠勤は想定していません。通常、派遣社員の代替要員は用意していないでしょう。そのため、もし派遣社員が休むと大変なことになります。したがって、派遣の欠勤は基本的にNGなのです。

特に注意したいのが製造業の派遣です。製造業では、ある製品を作るのに期日までに何人必要かということを厳密に計算したうえで、人員を調達しています。

その状態でもし一人派遣社員が何らかの理由で欠勤すると、ほかの社員の業務が大幅に増え、負担が大きくなります。負担が増えるだけでなく、ミスの可能性も高まり、生産性も落ちます。それだけに製造業における派遣の欠勤は難しいのです。

諸事情により欠勤する場合の連絡方法

とはいえ、派遣社員も全く休まないで済むというわけにはいきません。無理に出勤というのも不可能な場合があります。体調不良にせよ家族の事情にせよ冠婚葬祭にせよ、やむを得ない事情もあるでしょう。

ただ派遣社員が欠勤すると、影響も大きいですから、いかに会社側に配慮して伝えるかが重要になってきます。

そこで押さえておきたいポイントは、どこに相談するかということです。派遣の場合は、実際の仕事をしている派遣先と雇用関係にある派遣元があります。したがって、もし諸事情により欠勤するということになったら、両方の相手に事情を説明して、手続きをしなければいけません。そこで、それぞれの相手へどのように欠勤することを伝えたらよいのかをまとめておきましょう。

派遣先の上司に連絡する

最初に派遣社員が欠勤の連絡をすべき相手は派遣先の上司です。派遣社員が働いている現場にいる上司が最も早く欠勤情報を知らなければいけませんから、これは当然の措置です。そしてできるだけ速やかに連絡をするようにしましょう。欠勤情報が早くわかればわかるほど、会社側も対応がしやすくなるからです。

連絡の際は、相談を持ち掛けるようにするとよいでしょう。いきなりこの理由で欠勤しますというのではぶっきらぼうすぎます。まず「相談したいことがあるのですが」と前置きしたうえで、事情を説明し、欠勤できるかどうか尋ねてみましょう。

派遣元に連絡をする

次に欠勤の連絡をする相手は派遣元です。派遣社員を雇っているのは派遣先の会社ではなく、派遣元ですから、やはり連絡をしておきましょう。

なお、派遣元から「遅刻、または欠勤するときは、先に派遣元へ連絡してください」と言われている場合にはその通りにします。そうでなければ派遣先の次が派遣元の順番で大丈夫です。

派遣元は派遣社員が欠勤するとなると、スケジュールやシフト調整をすることがあります。その手続きはできるだけ早く行いたいはずですから、この点を配慮して早く欠勤することを伝えておきましょう。

また、派遣元への連絡がしっかり行われないと、給料に影響が出ることもあります。したがって、派遣先に連絡しただけで安心せず、派遣元への連絡も忘れないようにしてください。

体調不良により当日欠勤する場合の連絡方法

欠勤日までの間隔が取れそうな場合には、早めに連絡ができます。少し前に連絡をすれば、うまく休めるかもしれません。ところが、体調不良は急に襲ってくることもあるので、当日に欠勤したいということもあるでしょう。そのようなケースではどのように連絡をすればよいでしょうか。

当日欠勤となれば、会社に多大な迷惑が掛かります。そのため、普通の欠勤以上に気を使って連絡をする必要があります。会社側にかなり無理なお願いをすることになるので、謝罪も丁寧にし、理由もわかりやすく伝える必要があるでしょう。やはりこの場合も、まず派遣先へ連絡し、それから派遣元へ連絡します。そこで、それぞれの相談の仕方を見ておきましょう。

派遣先に連絡をする

体調不良で当日欠勤する場合、派遣先へは電話で連絡します。メールでは一方通行になり、欠勤許可が下りたのかどうかすぐにはわかりません。電話であれば、すぐに相手に事情も伝えられるうえ、答えを教えてもらえます。

その際には、いきなり「体調不良で休みます」と言うのではなく、「休ませていただけないでしょうか」と柔らかく尋ねるのがコツです。会社側には会社側の都合がありますから、遠慮気味に申し出なければいけません。

それから、業務内容について確認しておくのも忘れないようにしましょう。「後回しにできる仕事か」「誰かに代わってもらえる仕事か」「今日中に片づける必要がある仕事か」などについても伝えておくとよいでしょう。

派遣会社に報告をする

当日欠勤の場合も、派遣先に続いて派遣元へ連絡しておきます。その際には、派遣先からすでに許可を得ていることを伝えます。そうすれば、派遣元も安心するでしょう。

業務の内容によっては、派遣先企業が派遣元へ新たな人員を補ってほしいと言ってくることがあります。そのような場合に派遣元が迅速に対応できるようにするためにも、派遣元への連絡も遅れないようにする必要があります。

当日欠勤を有給休暇にできるかどうかですが、これは派遣先企業が決めることではなく、派遣元がルールを定めています。派遣社員の給料を支給するのが派遣元だからです。

したがって、派遣元企業のルールに従わないといけません。その場合、後で申請ができることもあるので、折を見て相談してみると良いでしょう。

欠勤連絡する際の注意点

派遣社員が欠勤連絡するときには注意点があります。その注意点をしっかり頭に入れておき、スムーズに休みが取れるようにしないといけません。また、こうした注意点は相手に迷惑をできるだけ掛けないようにするという意味でも重要です。

注意点の第一は、当日欠勤の場合、始業10分前までに連絡することです。これは遅くてもということなので、もっと早いに越したことはありません。もし始業後に連絡ということになれば、通勤事故にでも遭ったのかと心配されたり、寝坊したのかと疑われたりする場合があります。派遣先の上司も同僚もいろいろと想像するでしょうが、余計なことを考えさせないためにも早めに連絡をしてください。

次の注意点は、事前に休むことがわかった場合に業務の引継ぎを怠らないことです。後回しにできる業務の場合はよいのですが、そうでない場合は、業務手順書なども用意しておき、後任の担当者が業務をやりやすいように手配しておきましょう。またデスクの上も日ごろから整理整頓しておき、ほかの人が業務手順書を探しやすくしておくなどの気配りも必要です。

三番目の注意点は、事前に休むことがわかった場合に上司だけでなく同僚にも伝えておくことです。派遣社員が休むことがわかっていない同僚は、電話などが来た時などに戸惑ってしまいます。また、同僚に業務を代わりにやってもらう場合もあるので、事前の連絡は絶対に必要です。

まとめ

派遣社員が欠勤するのは好ましくないのですが、どうしても欠勤せざるを得ないこともあります。その場合は、相談先（連絡先）をよく確認し、事情をわかりやすく説明しましょう。そのうえで「休みます」と言い切るのではなく、尋ねるような口調にするとよいのです。そうすれば、会社側も無理なことは言わず、許可を出してくれるでしょう。ただ、できるだけ欠勤はしないのが基本です。