派遣で働いているときに妊娠した場合の報告や手続き
目次
派遣会社と労働契約を交わしている期間中に、妊娠してしまう可能性は女性なら誰にでもあります。このようなとき、「派遣会社から契約解除されるのでは」と不安になる方も少なくありません。
本記事では、女性が派遣契約中に妊娠したときにするべきことや、契約に関する情報をお伝えします。
派遣契約中に妊娠した場合はどうする?

まず、派遣会社や派遣先へ報告し今後のことを含めて相談しなくてはなりません。「契約を打ち切られるかもしれない」と内緒にして働こうと考える方がいるかもしれませんが、これはNGです。派遣会社や派遣先に迷惑をかけるだけでなく、母子ともども健康面が懸念されるため、必ず報告はしましょう。
また、報告と相談をしたあとは、派遣会社の規則に従って必要な手続きを進めてください。
派遣会社に報告する
まずするべきは、所属している派遣会社への報告です。多くの派遣会社では、派遣社員一人ひとりに担当者がついています。まずは担当者へ妊娠した旨を報告しましょう。
先に派遣先の上司などへ報告しようと考える方もいますが、派遣社員と派遣先に雇用関係はありません。派遣社員が労働契約を締結しているのはあくまで派遣会社であるため、まず報告すべきはそちらです。
なお、妊娠を報告するタイミングについては特に決まりがありません。派遣会社によっては、就業規則で定められているかもしれませんが、そのようなケースは稀だと考えられます。母体と赤ちゃんの健康を考えるならなるべく早めの報告が望ましいですが、体調も考慮しながら報告のタイミングを見計らいましょう。
派遣会社の規則に従って手続きを行う
派遣社員が妊娠したときの対処は、派遣会社によって異なります。法律でルールが定められているわけでもなく、派遣会社ごとに対応がわかれるため、所属している会社の規則に則って手続きを進める必要があります。
具体的な手続きについては、派遣会社の担当者へ報告したあと、教えてもらえます。ただ、その前に派遣会社の就業規則に目を通しておきましょう。妊娠したときの手続きや、対処について就業規則に記載されている可能性もあるからです。具体的な手続きの流れなどが記載されているケースもあるため、就業規則を一読してください。
派遣会社の就業規則は、登録時や労働契約の締結時に渡されているはずです。手元にないのなら、担当者に伝えて再度発行してもらいましょう。
派遣スタッフが妊娠した場合の契約関係

派遣契約中に妊娠した女性の多くが懸念しているのは、契約を打ち切られてしまうことではないでしょうか。契約を打ち切られ、解雇されるのでは、と不安を抱く方は少なくありませんが、現実的にそのようなことはありません。
厚生労働省からは、妊娠した女性をサポートするための母胎健康管理措置と呼ばれる制度が発表されています。この制度により、派遣会社は妊娠した女性社員に対し、健康検査や通院の時間を確保する必要もあります。
契約の打ち切りや解雇はない
妊娠した女性に対し、不利益となるような行為は法律で禁止されているため、契約の打ち切りや解雇されるといった心配はありません。これは、男女雇用機会均等法第9条に明記されています。また、妊娠を理由に減給をする、不利益な評価をする、契約の更新をしない、といったことも禁止されています。
このように、妊婦は法律により手厚く守られているため、妊娠を理由に職場を追われる、待遇が悪くなるといった心配は無用です。なお、上記のような男女雇用機会均等法に抵触するような行為を派遣会社が行った場合、過料が科せられる可能性があります。企業名も公表され、社会的制裁を受けるおそれがあるため、多くの派遣会社では妊婦に対し不利益なことはしていません。
健康検診や通院の権利がある
男女雇用機会均等法第12条では、妊婦に診査を受診する権利を認めています。派遣会社は、妊娠した派遣社員に対し、保険指導や診査を受診する時間を確保する義務が生じ、違反するとペナルティの対象になってしまうのです。
妊娠中の妊婦は、23週までは4週に1回、24週から35週までは2週間に1回、36週から出産までは1週間に1回のペースで受診ができます。また、産後1年以内は、医療機関の指示に従い必要に応じて受診しなくてはなりません。
法律のみならず、厚生労働省からも母胎健康管理措置が発表されています。これは、妊娠した女性をサポートするための制度です。このように、働く妊婦は法律や制度によってしっかり守られています。
派遣スタッフの産休・育休の種類

産休や育休は、正社員だけの制度だと思っていませんか?実は、派遣社員でも産休や育休は取得できます。労働基準法により定められており、産前休業や産後休業、育児休業などの取得が可能なのです。
産前休業は、文字通り産前に取得できる休暇制度で、産後休業は出産翌日から8週を経過しない女性の就業を禁止する制度です。育児休業は、子どもが産後8週から1歳になるまで育休の取得ができます。
産前休業
出産を控えた妊婦が利用できる休業制度です。出産予定日の6週間前から取得できますが、必ず取得しなければならないわけではありません。そのため、人によっては産前休業をギリギリまで取得しない方もいます。
双子や三つ子など、多胎妊娠のケースでは、出産予定の14週前から休業が可能です。多胎妊娠の場合、母胎にかかる負担が大きくなると考えられるため、このような措置がとられています。
産前休業中には、会社から給料が支払われないことがほとんどです。給料の代わりに収入源とできるのが、出産手当金です。1日あたりに給付される出産手当金は、以下の計算式で算出します。
(支給開始日以前に継続した12ヶ月の各月の標準報酬月額の平均)÷30日×(2/3)=1日当たりの出産手当金
産後休業
出産後に利用できる休業制度です。法律により、出産後の女性は8週間を経過するまで働かせてはいけない、と決められています。違反した事業者には、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。
ただ、本人が強く希望した場合には、産後6週を経過した時点から仕事への復帰が可能です。ただ、復帰するにも医師による診断が必要です。診断の結果、問題があると判断されると復帰はできません。また、どんなに本人が希望したとしても、6週間は絶対に休業しなければならないと法律で定められています。
産後休業期間の収入源は、出産手当金や出産育児一時金です。出産育児一時金は、1人の出産につき42万円を給付してもらえる制度です。双子や三つ子の場合なら、支給される手当は倍額です。
育児休業
子どもが産後8週間から1歳になるまでの期間、休業できる制度です。必ずこの期間休業しなければならないわけではなく、申請時に任意で期間を定められます。なお、育児休業は母親だけの権利ではありません。父親となる男性も、育児休業の取得が可能です。女性の場合は産後休業が終了した翌日から取得でき、男性は子供が生まれた日より取得可能です。
育児休業中には、育児休業給付金の給付が受けられます。休業中会社から給料が支払われていないのなら、月額給料の67%相当の金額が給付されます。
まとめ
派遣契約中に妊娠しても、契約打ち切りや解雇されることはありません。法律や制度で妊婦は守られているため、安心してください。また、派遣社員でも産休や育休の取得が可能で、さまざまな手当も給付できます。
結婚や妊娠の予定がある方で、派遣社員として働いている方はぜひ参考にしてください。
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