派遣女性が男性の多い派遣先で働くときの注意点

派遣社員の多くが女性というイメージを持っているため、職場も同様だと考える人がいるかもしれません。しかし、派遣先の企業によっては男性の比率が高く、男性社会ということも少なくありません。時給などその他の待遇などがよくても、慣れていないと男性ばかりの世界に飛び込んでいくことはかなり勇気のいることです。ましてや新しい環境のため、はじめのうちはその雰囲気に馴染めず緊張してしまうという人も多いようです。そこで今回は、男性社員が多く在籍する派遣先で勤務する際に、注意しておきたい四つのポイントについてみていきましょう。具体的な事例も紹介しているので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

多くの職場は男性が多い

男性社員が多い職場として以下の職種や業種が挙げられます。

• 工場 
• エンジニア やIT関係
• 営業

男性が多い職場を敬遠する女性も多いですが、実際に働いている女性たちの声を聞くと「働きやすい」と感じている方も多いようです。その理由は以下の通りです。

一つ目のメリットとして、男性が多い職場の場合は、女性同士の人間関係のトラブルがほとんどないことが挙げられます。それどころか、数少ない女性社員同士で親睦が深まり、団結力が生まれやすくなったりもします。特に以前の職場で人間関係に悩んで嫌な経験を持っている人の場合は、今までと環境を変える意味でも男性の多い職場を積極的に選んでみてもいいかもしれません。

二つ目のメリットとして男性の多い職場の場合は、少ない女性社員は大切に扱ってもらえるということが挙げられます。ここ数年の政府の試みである女性活躍推進の影響もあり、多くの企業が女性の雇用を積極的に行っています。そのため、それぞれの企業では、女性社員の雇用を促進するために自社の働きやすさをPRしたりするなど、かなり積極的になってきているようです。

また、男性の多い職場の場合は、何か困っているときに積極的に助けてもらえることも多くあります。入社して間もない時期は慣れないために失敗も多くなりがちですが、優しく指導してくれることでしょう。

3つ目のメリットとして、男性の場合は相手に干渉してくる人が少ない傾向にあるため、あっさりとした人間関係を築きやすくビジネスライクに接することができるため、仕事がしやすいことも考えられます。そのため、ランチや飲み会の誘いを断ったとしても特段悪く言われることも、干渉されることも多くありません。

このように、女性派遣社員が男性の多い派遣先で働くことは、一見大変そうに見えても、実は女性の多い職場と比べて働きやすいと感じることも多くあるようです。そのため、女性同士の賑わっている雰囲気が苦手な女性におすすめできるかもしれません。

派遣女性が男性の多い職場で働くときの注意点

男性が多い職場で働くメリットについて解説してきましたが、デメリットや注意点があることも事実です。派遣女性が男性の多い職場で働くときに注意したい四つのポイントは以下の通りです。

それぞれのポイントについて詳しくみていきましょう。

女性に対する理解が低い

男性の多い職場の場合、女性に対する理解度が低いというデメリットがあります。

例えば、女性の多い企業では生理休暇や産休・育休などの制度への理解が進んでいますが、男性のたくさんいる職場の場合ではなかなか理解されていないのが現状です。そのため、それらの休暇の取得率が低い傾向にあります。生理などで調子が悪くても、男性には理解できない事情なので共感を得にくいところがあります。派遣社員であってもこれらの休暇を取得することは、それぞれの社員の権利として認められているのです。

特に産休・育休については、「派遣社員では取得できない」と考える人も多いようですが、法律的には取得可能です。しかし、残念なことに派遣社員の場合は期間雇用が前提となっているケースが多いため、契約を解除されてしまう可能性が高くなってきます。そのため、事前に確認しておくことも一つの方法で、それに対してきちんとした対応をしてくれるかどうかも、派遣会社を探していくうえでポイントになるといえるでしょう。

また、派遣社員が産休・育休制度を取得した場合、同じ職場に復帰できないケースもあります。きちんとした手続きを踏んでいたとしても、復帰するタイミングで人手が足りているという理由などで断られてしまうことがあるからです。

評価されにくい

二つ目のポイントとしては、女性派遣社員に限らず女性社員にもいえることですが、仕事の結果に対する評価がされにくいということが考えられます。女性は結婚や出産で職場を離れてしまうことがあるため、「すぐに退職してしまうだろう」と判断されてしまうことも多くあるようです。そもそも昇給制度などを設けていない職場も存在しており、そのような職場は、産休・育休を取得させた経験も少ないところが多く、任される仕事が限定されてしまうという特徴があります。

これは、働く女性の共通の悩みであるでしょう。昇給だけでなく、昇進制度も整っていないという企業も多くあるため、キャリアアップを考えている女性たちにとって大きな障害となっていることがあるようです。特に女性派遣社員の場合は契約期間があるため、正社員以上に昇給のチャンスが限定されてしまうでしょう。

セクハラ

三つ目のポイントとしては、セクハラまがいの発言や行動が多くなりがちということです。

男性の多い職場では、日常的に下ネタが多く飛び交っているケースが多くみられます。仕事中にそのような発言がなくても、オフィスを離れたランチタイムや飲み会の場ではどうしてもそのような会話で盛り上がってしまうことがあります。苦手な女性にとってはかなりの苦痛を強いられるかもしれませんが、聞き流すのが理想的です。決して逆上したり無視したりといったことはしないようにしましょう。嫌なことや不快なことは、きちんと伝えることが大切です。それでも改善されない場合は、派遣元に相談するなどして状況を改善させるための対処法を考えましょう。

飲み会に頻繁に誘われる

最後のポイントは「飲み会に頻繁に誘われる」可能性もあるということです。男性が多い職場ではいまでも、男性社会特有の仕事を離れた後のつきあいの文化がとても根強くあるように感じられます。気軽に日常的に飲み会に誘われることも多いでしょう。飲み会の場に1人でも多くの女性がいると盛り上がるものです。普段職場でお世話になっている方たちとの交流を深めていくことはとても大切なことですが、無理に参加をしてセクハラ発言に悩んだり、楽しくない会話に対して愛想笑いをしたりすることに強いストレスを感じてしまう方も少なくないはずです。毎回顔を出す必要はありませんが、毎度断ってしまうことでノリが悪いという印象を持たれてしまい、その後の契約更新などに大きく影響してくる可能性もあるかもしれません。割り切って適度な頻度で飲み会などには参加して次につなげるという方法もあれば、相談して派遣先を変えてもらうなどさまざまな方法が考えられます。一人で悩まないようにすることが大切です。

まとめ

男性の多い派遣先で働く際に注意したいポイントについて解説しました。男性ばかりの職場で働くメリットやデメリットをきちんと理解しましょう。ストレスを感じたり、辛いことがあったりしても、割り切って働くことができるかということがポイントになります。何かトラブルがあったときに、しっかりと守ってくれる派遣会社であるかどうかが重要になってくるため、選ぶ際には慎重に行いましょう。